高市銘柄の本命とは?2026年は「17戦略分野」と照合する
株式市場で使われる「高市銘柄」とは、高市政権の政策によって事業機会の拡大が期待される企業・テーマを指す市場の俗称です。
政府が「高市銘柄」という株式一覧を作成したり、特定企業への投資を推奨したりしているわけではありません。
2026年2月の施政方針演説では、経済安全保障、エネルギー・資源安全保障、健康医療安全保障、国土強靱化、サイバーセキュリティなどへの「危機管理投資」と、AI、半導体、造船などへの「成長投資」が示されました。
さらに2026年7月21日に日本成長戦略と戦略17分野の官民投資ロードマップが決定されています。
したがって「高市銘柄 本命」を客観的に考えるなら、次の3段階で確認するとわかりやすくなります。
- 政府の正式な成長戦略に含まれている分野か
- 企業の主力事業がその分野と直接結び付いているか
- 政策効果が受注・売上・利益に実際に表れているか
政策との関連が強くても、株価がすでに大幅上昇していれば投資妙味が同じとは限りません。「政策に合致する企業」と「現在の株価で魅力的な企業」は別々に判断する必要があります。
ドローン銘柄の本命|防衛・物流・点検まで用途が広がる
ドローンは2026年の政府戦略でも複数分野にまたがっています。防衛産業では小型無人航空機、航空・宇宙では無人航空機、海洋分野では海洋無人機が官民投資対象として位置付けられています。
ACSL|国産産業用ドローンの代表例
ACSLは国産産業用ドローンの開発・量産・社会実装を進める上場企業です。物流、インフラ点検、災害対応などに加え、安全保障分野との接点もあります。
一方、2026年8月14日に公表された通期業績予想では、売上高40億円に対して営業損失13億6,000万円の予想となっています。
さらに2026年8月には海外募集による新株式発行も発表しています。
これは国策テーマ株を見るうえで重要な例です。市場が拡大していることと、企業がすでに安定した利益を生んでいることは同じではありません。赤字企業では現金残高や追加資金調達による株式希薄化も確認する必要があります。
Terra Drone|測量・点検・運航管理に加え防衛分野へ
Terra Drone(278A)はドローンを活用した測量・点検、運航管理システムなどを手掛けています。2026年には防衛事業への取り組みも発表しています。
ドローン銘柄では「実証実験に採用された」というニュースだけでなく、量産契約なのか、売上規模はいくらか、利益率は確保できるかまで確認することが重要です。
ロボット銘柄の本命|2026年は「フィジカルAI」が重要テーマ
AIがコンピューター上だけでなく、実世界のロボットや機械を制御する「フィジカルAI」は2026年の日本成長戦略でも重点領域です。
政府資料ではフィジカルAI、特にAIロボットについて、2040年度までの官民投資額10.5兆円が想定されています。
FANUC|産業ロボットとAIの融合
FANUCは産業用ロボット、FA、CNCなどを展開しています。2026年にはGoogleやNVIDIAとの協業・連携を通じ、AIエージェントや模倣学習を利用した次世代ロボットシステムを紹介しています。
ロボット銘柄を見る場合には、AIという新テーマだけでなく、従来の工場自動化需要、中国・米国など地域別需要、受注、営業利益率も確認しましょう。
安川電機なども産業用ロボット・モーションコントロール分野の代表企業として比較対象になります。
バイオ銘柄の本命|成功確率だけでなく既存利益も見る
2026年の日本成長戦略では「合成生物学・バイオ」「創薬・先端医療」が戦略分野として位置付けられています。
政府の官民投資ロードマップでは、バイオものづくりに2040年度まで12.8兆円、バイオ医薬品・再生医療等製品について20.8兆円などの投資額が想定されています。
中外製薬|研究開発だけでなく既存事業の利益も確認できる例
中外製薬の2026年1~6月期では、Coreベースの売上収益6,633億円で前年同期比14.7%増、営業利益3,291億円で21.0%増、純利益2,384億円で23.2%増でした。
バイオ・創薬株では、研究パイプラインだけでなく、現在販売している医薬品から十分な利益やキャッシュフローを得られているかを見る方法があります。
小型バイオ株では治験失敗の影響が特に大きい
一つの新薬候補へ企業価値が大きく依存している場合、臨床試験の結果や承認審査によって株価が急変することがあります。
「画期的な新薬になりそう」という期待だけで判断せず、臨床試験の段階、資金残高、研究開発費、提携先、増資の可能性まで確認しましょう。
防災銘柄の本命|国土強靱化は長期間のテーマ
政府の戦略17分野には「防災・国土強靱化」も含まれています。
2026年の官民投資ロードマップでは、防災技術に2030年度まで2.6兆円の官民投資額を想定しています。また、第1次国土強靱化実施中期計画に基づく投資についても、2030年度までに官民合わせて概ね20兆円強程度の内数が想定されています。
上場企業では、防災設備を手掛ける能美防災(6744)やホーチキ(6745)などが関連企業として挙げられます。
ただし、防災関連でも公共投資だけを見ず、民間ビル・工場などの設備更新需要、利益率、受注残を合わせて確認することが重要です。
宇宙銘柄の本命|ロケット・衛星・軌道上サービスを分けて考える
「宇宙関連株」と一括りにされますが、企業によって事業は大きく違います。
- ロケットの製造・打ち上げ
- 人工衛星の製造
- 衛星画像・データサービス
- 月面探査
- スペースデブリ除去
- 衛星通信
日本成長戦略のロードマップでは、2040年度までにロケット・射場2.3兆円、人工衛星・サービス6.4兆円、月面探査・低軌道技術5.6兆円の官民投資額が想定されています。
宇宙関連の上場企業例
アストロスケールホールディングス(186A)は、スペースデブリ除去などの軌道上サービスを事業領域としています。
Synspective(290A)は、小型SAR衛星と衛星データを利用したソリューションを展開しています。
三菱重工業(7011)もロケットなど宇宙関連事業を持っています。
新興宇宙企業では、受注が急増していても研究開発費や衛星製造費が大きく、赤字が続くケースがあります。売上成長だけではなく、現金残高と今後必要になる設備投資も確認しましょう。
造船銘柄の本命|受注残と船価が重要
造船は2026年の日本成長戦略で独立した戦略分野になっています。政府は次世代船舶について2034年度まで1.0兆円、船舶修繕について2035年度まで0.1兆円の官民投資額を想定しています。
名村造船所|造船事業の業績を直接確認できる企業
名村造船所(7014)は、ばら積み船、タンカー、ガスキャリアなどを手掛けています。
2027年3月期第1四半期は、売上高435億8,500万円、営業利益98億500万円となりました。同社は2027年3月期の年間配当予想について60円を公表しています。
ただし造船業は、受注から船の引き渡しまで長期間を要します。現在の業績だけでなく、受注残、受注した時点の船価、鋼材価格、為替、人件費などが将来利益を左右します。
ジャパンエンジンコーポレーション(6016)のように船舶用エンジンを手掛ける企業も、造船テーマとの関係を確認できる銘柄です。
テーマ選びより重要なのは「今の株価で買う価値があるか」です。最後のページでは、高配当株や米国株にも使える本命銘柄の選別方法と、テーマ株で高値づかみを避けるための確認ポイントをまとめます。




