MetaMaskのログインと復元方法|パスワードとSRPの違い
MetaMaskを安全に使うためには、パスワードとシークレットリカバリーフレーズは別の役割を持つことを理解しておく必要があります。
従来型のシークレットリカバリーフレーズを使って作成したウォレットでは、MetaMaskのパスワードは基本的にその端末上のMetaMaskをロック解除するために使用されます。一般的なWebサービスのように、運営会社がパスワードを管理して資産を復旧してくれる仕組みではありません。
一方、現在のMetaMaskにはGoogle、Apple、Telegramなどのアカウントを利用した設定方式も存在します。利用できる方式は端末やバージョンによって異なり、ソーシャルログイン方式で作成したウォレットでは、ログインアカウントとMetaMaskパスワードの組み合わせが復元に重要になります。
MetaMaskのパスワードを忘れた場合
シークレットリカバリーフレーズ方式のウォレットでパスワードを忘れても、SRPを正しく保管していればウォレットを復元し、新しいパスワードを設定できます。
ただし、秘密鍵や別のSRPを使って個別にインポートしたアカウント、ハードウェアウォレットなどは、元のSRPだけでは自動復元できない場合があります。リセットや再インストールをする前に、利用しているすべてのアカウントについて復元手段があることを確認してください。
シークレットリカバリーフレーズを忘れたらどうなる?
現在MetaMaskを開くことができ、必要なパスワードも分かっている場合は、MetaMaskの「Settings」→「Security and privacy」などからSRPを確認できる場合があります。確認したSRPは安全な場所へ保管してください。
一方、SRP方式で作成したウォレットについて、端末にもアクセスできず、SRPも分からず、その他の復元手段もない場合、MetaMaskのサポート担当者が新しいSRPを発行したり、ブロックチェーン上の資産を代理で復元したりすることはできません。
「MetaMaskを復元します」「消えた資産を取り戻します」などと言ってSRPや秘密鍵を要求する相手には渡さないでください。MetaMask公式サポートもSRPや秘密鍵の提出を求めないと案内しています。
MetaMaskの機種変更はどうする?
スマートフォンを買い替える場合は、新端末へ正規のMetaMaskアプリをインストールし、「既存のウォレット」を選び、利用していた復元方式に応じてウォレットを復元します。
SRP方式では正しいシークレットリカバリーフレーズを入力します。Google・Apple・Telegramなどを利用して作成した対応ウォレットでは、対応するアカウントとMetaMaskパスワードによる復元が利用できる場合があります。
復元後、以前のアカウントがすべて表示されない場合があります。SRPから作成した追加アカウントは同じ順番で再作成することで同じアドレスを復元できる場合がありますが、秘密鍵で個別にインポートしたアカウントやハードウェアウォレットは再追加が必要になることがあります。
MetaMaskにはアカウント名や連絡先などを複数端末間で同期する「Backup and sync」機能もありますが、すべての種類のインポートアカウントが同期対象とは限りません。機種変更前に復元情報を確認することが最優先です。
MetaMaskのアカウントは削除できる?
ここでいう「MetaMaskからアカウントを消すこと」と「ブロックチェーン上のアドレスを消すこと」は異なります。
SRPから作成されたアカウントのアドレスはブロックチェーン上に存在し続けるため、アドレスそのものを削除することはできません。MetaMask Extensionでは不要なアカウントを非表示にできる場合があります。
秘密鍵などでインポートした一部アカウントやハードウェアウォレットについては「Remove account」が表示される場合があり、MetaMask上から取り除くことができます。ただし、アカウントの種類やExtension・Mobileの違いによって操作できる範囲が異なります。
また、MetaMaskアプリを削除したからといってブロックチェーン上の資産が消えるわけではありません。しかし復元情報を持っていなければ、その資産へ再びアクセスできなくなる可能性があります。
MetaMaskの危険性は?ハッキング・詐欺対策で重要なこと
MetaMaskそのものだけに注意すればよいわけではありません。セルフカストディ型ウォレットでは、フィッシングサイト、偽アプリ、偽サポート、悪意のある署名、過大なトークン承認、マルウェアなど複数のリスクを考える必要があります。
最低限実践したい安全対策
- SRPと秘密鍵を第三者へ渡さない
- MetaMaskは公式サイトまたは正規アプリストアから入手する
- SRPをメール、SNSのDM、公開クラウドなどに安易に保存しない
- ウォレット接続前にサイトのドメインを確認する
- 署名・Approveを求められたら内容を読んでから承認する
- 不要になったトークン承認は定期的に確認する
- OS、ブラウザ、MetaMaskを最新状態に保つ
- 高額な資産を扱う場合はハードウェアウォレットの利用も検討する
- 初めての宛先への送金は少額テストを検討する
「ウォレットを接続するだけなら安全」とは限らない
DAppへウォレットを接続する行為と、資産を動かす権限を与える署名・承認は別の処理です。特にERC-20などのトークンでは、DAppに一定額を使用する権限を与える「Token Approval」が利用されます。
正規サービスでも承認は一般的に使われますが、悪意のあるサイトへ大きな上限額を承認すると被害につながる可能性があります。「Approve」「Permit」「Sign」などが表示されたときは、何を許可しようとしているのかを確認してください。
MetaMaskへネットワークを追加する方法
現在のMetaMaskでは、多くの主要ネットワークが最初から利用可能、または「Additional networks」から簡単に追加できるようになっています。そのため、最初からRPC情報を手入力するのではなく、まずMetaMask内のネットワーク一覧を確認するのがおすすめです。
一覧にないEVM互換ネットワークを追加するときは「Add a custom network」から、ネットワーク名、RPC URL、Chain ID、通貨記号、ブロックエクスプローラー情報などを設定します。
RPC URLやChain IDは、利用するブロックチェーンの公式情報と照合してください。インターネット上で見つけた情報を無条件に入力するのは避けましょう。また、一つの端末に追加したカスタムネットワークが別端末へ必ず自動反映されるとは限りません。
ネットワークの違いはUSDTやJPYCの誤送金にも直結します。さらにXRPは一般的なEVMトークンとは扱い方が異なります。次のページで資産別の注意点まで整理します。



