VIX指数のリアルタイムチャートを見る方法
VIX指数のチャートは、Cboe公式サイトや主要な金融情報サービス、証券会社のマーケット情報などで確認できます。
代表的なティッカーはVIXで、情報サービスによっては「^VIX」などの記号が使用されます。
ただし「リアルタイム」と表示されているかどうかは情報提供会社によって異なります。無料サイトでは15分~20分程度遅延したデータが表示される場合があります。
Cboeの公式ページでも、表示される市場データの一部について一定時間の遅延があることが明記されています。
チャートを見るときは「瞬間値」と「終値」を区別する
VIXは株式市場が急変すると数分間で大幅に上昇する場合があります。
例えば「VIXが40を超えた」と報道されても、
- 取引時間中に一瞬40を超えたのか
- 終値で40を超えたのか
によって意味は異なります。
過去の危機と比較するときは、日中高値なのか日次終値なのか、同じ条件の数字を比較することが大切です。
VIX指数が高騰する理由は?
VIXが急上昇する主な原因は、S&P500オプション市場で将来の大きな値動きを織り込む動きが強まることです。
代表的なきっかけには次があります。
- 株式市場の急落
- 金融危機への懸念
- 景気後退への懸念
- 戦争・地政学リスク
- 感染症など予測困難な出来事
- 中央銀行の金融政策への不透明感
- インフレ指標や雇用統計の予想外の結果
- 大規模な信用不安
「悪いニュースだからVIXが上がる」のではなく、その出来事によって今後の株価変動がどれほど大きくなるとオプション市場が考えたかがポイントです。
過去のVIX高騰|2008年と2020年は80を超えた
VIXの歴史を理解するうえで代表的なのが世界金融危機と新型コロナウイルス感染拡大時です。
2008年の世界金融危機
リーマン・ブラザーズ破綻を含む世界的な金融危機では株式市場が急落し、VIXは80.86まで上昇した局面がありました。
通常時とは大きく異なる極端な不確実性がオプション価格に織り込まれた例です。
2020年3月の新型コロナショック
Cboeによると、2020年3月16日のVIX指数は82.69で日次終値として過去最高を記録しました。
同日は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済活動停止への懸念が強まり、S&P500も急落しました。
VIXは2020年2月14日の13.68から約1か月で82.69へ急上昇しており、危機発生時にボラティリティーが短期間で大きく変化する可能性を示しています。
VIX指数は直接買える?結論:指数そのものは買えない
株式であれば企業の株を購入できますが、VIX指数そのものを証券口座で購入して保有することはできません。
VIXはS&P500オプションの価格を使って計算される「指標」だからです。
VIXの値動きに関連する投資を行う場合には、主に次の金融商品を利用します。
- VIX先物
- VIXオプション
- VIX先物指数に連動するETF
- 海外のVIX先物関連ETF
ここで注意したいのが、「VIX関連商品=VIX指数と同じ値動き」ではないという点です。
日本でVIXを買う方法|東証のVIX短期先物指数ETF
2026年9月1日時点では、東京証券取引所に「VIX短期先物指数ETF」(証券コード318A)が上場しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | VIX短期先物指数ETF |
| 証券コード | 318A |
| 対象指標 | S&P 500 VIX短期先物指数超過リターン |
| 売買単位 | 10口 |
| 上場市場 | 東京証券取引所 |
| 運用会社 | シンプレクス・アセット・マネジメント |
| 信託報酬 | 年率0.979%(税込・2026年公表資料) |
| NISA成長投資枠 | 対象外 |
通常の国内ETFと同様に、東証ETFを取り扱う証券会社を通じて取引できます。
ただし318Aが連動を目指しているのはVIX指数そのものではなく、VIX先物を組み合わせた「S&P 500 VIX短期先物指数超過リターン」です。
昔の「1552 VIX短期先物ETF」は現在買えない
過去の記事では「国際のETF VIX短期先物指数(1552)」が紹介されている場合があります。
しかし、1552は2024年2月12日に上場廃止となっています。
現在の東証上場商品を確認する場合は、2025年1月15日に上場した318Aと混同しないようにしてください。
海外にはVIX関連ETFもある
米国市場にはVIX先物へ投資するETFがあります。代表例として、ProSharesのVIXY(VIX Short-Term Futures ETF)やVIXM(VIX Mid-Term Futures ETF)があります。
VIXYは短期VIX先物指数、VIXMは中期VIX先物指数への連動を目指します。
これらもVIX現物指数へ直接投資する商品ではありません。日本の証券会社から購入できるかどうかは、各社の外国ETF取扱状況によって異なります。
また、VIX先物へレバレッジをかける海外商品も存在しますが、値動きが非常に大きくなる可能性があり、通常の株式ETFとはリスク特性が大きく異なります。
VIX関連の「投資信託」を選ぶときの注意点
VIXという名称を含む投資信託やETFを見つけた場合は、商品名だけで判断せず何を実際に保有している商品なのかを確認してください。
確認したいポイントは次のとおりです。
- VIX現物ではなくVIX先物へ投資しているか
- 短期先物か中期先物か
- 先物を毎日ロールする商品か
- レバレッジ・インバース型ではないか
- 信託報酬はいくらか
- 為替変動の影響を受けるか
- 長期保有時に指数が減価する可能性があるか
特にVIX関連商品では、通常の株価指数ETFと同じ感覚で長期積立を行うと、想定とは大きく異なる結果になる可能性があります。
最大の注意点|VIX先物ETFには「ロールコスト」がある
VIX関連ETFを理解するうえで欠かせないのがコンタンゴとロールオーバーです。
VIX短期先物指数では、満期が近い第1限月の先物を徐々に売却し、次の第2限月の先物へ乗り換える取引を繰り返します。
コンタンゴとは?
期近のVIX先物より、期先のVIX先物価格が高い状態をコンタンゴと呼びます。
例えば、
- 第1限月:16
- 第2限月:18
であれば、安い16の先物を売って、高い18の先物へ乗り換えることになります。
この状態が続くと、VIX短期先物指数には継続的なマイナス要因が生じます。日本取引所グループも、コンタンゴが続く場合にはVIX先物指数がVIX指数に対して継続的に減価する可能性を説明しています。
「VIXが同じ水準に戻ればETFも元に戻る」とは限らない
例えばVIXが15から一度20へ上昇し、その後15へ戻ったとしても、VIX先物ETFが元の価格へ戻るとは限りません。
先物価格、ロールによる損益、為替、運用費用などが影響するからです。
そのためVIX先物ETFは、一般的な株価指数ETFとは異なる商品として理解する必要があります。
VIXが低いときに買えば簡単に利益が出る、という仕組みでもありません。VIX現物・先物・ETFの価格がなぜ違うのかを理解すると、「恐怖指数の買い時」で最も多い誤解が見えてきます。




