ボリンジャーバンドとは?2σ・3σ・%B・設定値から実践手法まで初心者向けに徹底解説

ボリンジャーバンドの計算式

ボリンジャーバンドは、移動平均と標準偏差から計算されます。期間をn、各期間の終値をP、標準偏差の倍率をkとすると、基本的な計算式は次のとおりです。

ミドルバンドの計算式

ミドルバンド=過去n期間の終値合計÷n

標準設定が20期間であれば、日足チャートでは過去20営業日の終値を合計して20で割ります。5分足であれば、直近20本の5分足データを使います。「20期間」は常に20日を意味するわけではありません。

標準偏差の計算式

標準偏差=√{各終値と移動平均の差の二乗合計÷n}

ジョン・ボリンジャー氏の公式説明では、母標準偏差の計算が使われています。一方、表計算ソフトやチャートサービスによっては標本標準偏差が使われることがあります。その場合、同じ期間と倍率を指定しても、バンドの位置がわずかに異なる可能性があります。

上下バンドの計算式

アッパーバンド=ミドルバンド+標準偏差×k

ロワーバンド=ミドルバンド-標準偏差×k

20期間・2σの場合、kには2を入れます。20期間・3σの場合は3です。なお、上側2σと下側2σの間の幅は、標準偏差4個分になります。

ボリンジャーバンド%Bとは?価格の位置を数値で確認

%Bは、現在価格が上下のボリンジャーバンドのどこに位置しているかを数値化する指標です。「パーセントB」と読みます。

%B=(価格-ロワーバンド)÷(アッパーバンド-ロワーバンド)

チャートサービスによっては、この結果に100を掛けてパーセント表示します。そのため、0~1で表示するサービスと、0~100で表示するサービスがあります。

  • 価格がアッパーバンドと同じ:%Bは1、または100%
  • 価格がミドルバンドと同じ:%Bは0.5、または50%
  • 価格がロワーバンドと同じ:%Bは0、または0%
  • 価格がアッパーバンドより上:1、または100%を超える
  • 価格がロワーバンドより下:0、または0%未満になる

%Bが100%を超えたから売り、0%を下回ったから買いという意味ではありません。上昇トレンドでは高い%Bが続き、下降トレンドでは低い%Bが続く場合があります。価格の位置を比較するための数値として使い、トレンドの方向や出来高などと組み合わせて判断します。

バンド幅を示すBandWidth

ボリンジャーバンドの広さを数値化する指標がBandWidthです。日本語ではバンド幅、ボリンジャーバンド幅などと呼ばれます。

BandWidth=(アッパーバンド-ロワーバンド)÷ミドルバンド

結果に100を掛けてパーセント表示する場合もあります。BandWidthが低ければ、過去と比べて値動きが小さく、バンドが狭い状態です。高ければ、値動きが大きく、バンドが広い状態を表します。

銘柄ごとに価格水準や値動きの特徴が違うため、「BandWidthが何%以下なら必ずスクイーズ」という共通の基準はありません。その銘柄自身の過去の数値と比較することが基本です。

ボリンジャーバンドの期間と設定値

最も広く使われている初期設定は、期間20・標準偏差2です。ただし、ボリンジャー氏は、この数値をあらゆる銘柄や手法に適した絶対的な設定ではなく、出発点となる標準設定と位置づけています。

20期間・2σが標準設定

日足の20期間は、おおむね1か月分の取引日数に相当します。5分足の20期間は100分、1時間足の20期間は20時間分のデータです。同じ20期間でも、時間足が変われば分析している市場の動きは大きく異なります。

期間を短くする場合

期間を短くすると、直近の値動きへ素早く反応します。その一方で、バンドが頻繁に変化し、偶然の値動きにも反応しやすくなります。

ボリンジャー氏の公式ガイドラインでは、価格をバンド内に含む一貫性を保つための例として、期間を10へ短くする場合は標準偏差の倍率を1.9へ下げる考え方が示されています。

期間を長くする場合

期間を長くすると、短期的な価格変動の影響が小さくなり、バンドの動きは緩やかになります。ただし、相場の変化を反映するまでに時間がかかります。

公式ガイドラインでは、期間を50へ長くする場合、標準偏差の倍率を2.1へ上げる例が示されています。ただし、証券会社やチャートサービスの解説では異なる組み合わせが紹介されることもあり、統一された唯一の設定値はありません。

設定を変更するときの確認事項

  • 同じ銘柄と時間足で十分な期間を検証する
  • 上昇相場、下降相場、横ばい相場を分けて確認する
  • 売買手数料やスプレッド、スリッページを考慮する
  • 都合のよい期間だけで結果を判断しない
  • 検証に使ったデータとは別の期間でも確認する

過去のチャートに合うよう設定値を何度も変更すると、過去だけに適合した「過剰最適化」が起こりやすくなります。過去に高い成績が出た設定でも、将来の成果は保証されません。

株初心者が覚えたい3つの基本パターン

スクイーズ

スクイーズとは、値動きが小さくなり、上下のボリンジャーバンドが狭くなった状態です。英語の「squeeze」には、押しつぶす、絞るといった意味があります。

スクイーズは、相場のエネルギーが蓄積している状態として説明されることがあります。ただし、スクイーズになっただけでは、その後に上昇するか下落するかは判断できません。狭い状態が長期間続くこともあります。

エクスパンション

エクスパンションとは、価格変動が大きくなり、上下のバンドが広がる状態です。スクイーズの後に価格が一定方向へ動き、バンド幅が拡大すると、新しいトレンドの発生を検討する材料になります。

ただし、一時的な急騰や急落によって標準偏差が上昇しただけの場合もあります。バンドが広がったことだけでトレンド継続を断定せず、終値の位置、ミドルバンドの傾き、高値・安値の更新、出来高なども確認しましょう。

バンドウォーク

バンドウォークとは、強いトレンドの中で、価格が上側または下側のバンドに沿うように動く状態です。

  • 上昇時:価格がアッパーバンド付近を繰り返し推移する
  • 下降時:価格がロワーバンド付近を繰り返し推移する

バンドウォーク中に「上側バンドへ触れたから割高」「下側バンドへ触れたから割安」と逆張りすると、トレンドに逆らう取引になる可能性があります。ボリンジャー氏の公式ルールでも、バンドへの接触は、それ自体では売買シグナルではないと明記されています。

実は、ボリンジャーバンドで失敗しやすい最大の原因は、バンドへの接触を反転の合図と決めつけることです。次のページでは順張り・逆張り・デイトレの使い分けと騙しへの対策を解説します。