非課税口座内上場株式等払出通知書は確定申告に必要?
通知書が届いただけなら原則として確定申告は不要
NISA口座から特定口座や一般口座へ商品が払い出されただけで、直ちに確定申告が必要になるわけではありません。
払出し後も商品を売却せずに保有している場合は、通常、その払出しについて申告する必要はありません。
特定口座へ移管された場合
払出し先が特定口座であれば、証券会社が払出し時の取得価額を引き継ぎ、その後の売却損益を計算します。
特定口座の源泉徴収ありを選択している場合は、原則として証券会社が税金を徴収するため、売却益について確定申告をしないことを選択できます。
ただし、複数の証券会社の損益を通算する場合や、譲渡損失を翌年以後に繰り越す場合などは、確定申告が必要です。
一般口座へ移管された場合
一般口座では、売却損益を証券会社が特定口座年間取引報告書にまとめてくれません。売却した場合は、自分で取得価額、売却代金、手数料などを確認して損益を計算します。
このとき、非課税口座内上場株式等払出通知書に記載された取得価額が、確定申告の計算資料になります。
通知書そのものを確定申告書へ添付する必要がない場合でも、税務署から取得価額の根拠を確認される可能性があるため、大切に保存しておきましょう。
払出通知書はいつまで保管する?処分してもよい?
払出通知書は、課税口座へ移された商品を売却するまで保管するのが基本です。売却後も、確定申告や税務上の確認に備えて、申告関係書類と一緒に保存しておくと安心です。
特に一般口座へ移管された商品は、証券会社が税務上の取得価額を自動計算しないため、通知書を処分すると取得価額の確認が難しくなる可能性があります。
紙で交付された場合は、印字が薄くなることに備えて、スキャンや写真などで控えを保存する方法もあります。電子交付の場合は、証券会社の閲覧期限が終了する前にPDFを保存しておきましょう。
特定口座内保管上場株式等払出通知書との違い
名称が似ていますが、「非課税口座内上場株式等払出通知書」と「特定口座内保管上場株式等払出通知書」は、払い出される元の口座が異なります。
| 書類名 | どこから払い出されたか | 主な目的 |
|---|---|---|
| 非課税口座内上場株式等払出通知書 | NISA口座などの非課税口座 | 課税口座へ移った商品と取得価額の確認 |
| 特定口座内保管上場株式等払出通知書 | 特定口座 | 一般口座などへ移った商品の取得価額の確認 |
特定口座内保管上場株式等払出通知書は、特定口座で保有していた商品が一般口座へ振り替えられた場合や、上場廃止などにより特定口座で管理できなくなった場合などに交付されます。
この書類も売却報告書ではありません。払出し後に一般口座で売却したとき、取得価額を証明する資料として使用します。
特定口座払出通知書を使った確定申告
特定口座から一般口座へ払い出された株式等を売却した場合は、払出通知書に記載された取得価額や取得日を使って譲渡損益を計算します。
基本的な計算方法は次のとおりです。
譲渡損益=売却代金-取得価額-売却手数料など
同じ銘柄を一般口座でも保有している場合は、払出通知書に記載された取得価額を含めて、総平均法に準ずる方法で取得価額を計算する必要があります。
計算が複雑になる場合は、払出通知書、取引報告書、売買履歴などをそろえたうえで、税務署や税理士へ確認しましょう。
上場株式配当等の支払通知書との違い
上場株式配当等の支払通知書は、株式の配当金などを受け取った内容を示す書類です。NISA口座から商品が移管されたことを知らせる払出通知書とは目的が異なります。
主に次の内容が記載されます。
- 配当金の支払額
- 源泉徴収された所得税額
- 特別徴収された住民税額
- 配当等の支払年月日
- 銘柄名や株数
上場株式等の配当を確定申告し、配当控除や外国税額控除、譲渡損失との損益通算などを行う場合に使用します。
確定申告書への支払通知書の添付は原則として不要ですが、申告内容を入力するための資料として保管します。税務署の申告相談会場などで申告書を作成する場合は、持参を求められることがあります。
配当等とみなす金額に関する支払通知書とは?
配当等とみなす金額に関する支払通知書は、通常の利益配当とは異なる取引で、税務上の「みなし配当」が発生した場合などに交付される書類です。
たとえば、企業が資本剰余金を原資とする配当を行った場合、その一部がみなし配当となり、残りが株式の譲渡収入に該当することがあります。
この場合、投資者自身が取得価額を調整し、みなし譲渡損益を計算して確定申告が必要になることがあります。通常の配当金とは計算方法が異なるため、書類が交付されたときは証券会社の案内や発行会社の資料を確認しましょう。
非課税口座廃止通知書とは?払出通知書との違い
非課税口座廃止通知書とは、NISA口座を廃止したことを証明し、別の金融機関などでNISA口座を再開設する際に使用する書類です。
商品がNISA口座から払い出されたことを示す払出通知書とは、使用目的が異なります。
| 書類名 | 主な目的 |
|---|---|
| 非課税口座内上場株式等払出通知書 | NISAから課税口座へ移した商品や取得価額の確認 |
| 非課税口座廃止通知書 | NISA口座の廃止後に他の金融機関などで再開設する手続き |
| 勘定廃止通知書 | NISA口座を残したまま利用する金融機関を変更する手続き |
NISAをすべて廃止する場合は非課税口座廃止通知書、NISA口座を利用する金融機関だけを変更する場合は勘定廃止通知書が交付されるのが基本です。
似た名称の通知書が複数ありますが、用途を間違えるとNISA口座の変更や再開設が進まないことがあります。SBI証券・楽天証券・ゆうちょ銀行の扱いは次のページで確認しましょう。
