証券会社から「非課税口座内上場株式等払出通知書」や「非課税口座内保管上場株式等払出通知書」が交付され、売却した覚えがないのになぜ届いたのか、確定申告に必要なのかと不安になることがあります。この通知書は、NISA口座などで保有していた株式や投資信託が課税口座へ払い出された事実や、その後の税金計算に使う取得価額などを確認するための書類です。本記事では、届く理由、読み方、保管期間、確定申告での使い方、SBI証券・楽天証券の電子交付までわかりやすく解説します。

この記事でわかること
- 非課税口座内上場株式等払出通知書の意味
- 通知書が突然届く主な理由
- 払出日・取得価額・銘柄などの読み方
- 確定申告で通知書を使うケース
- 特定口座払出通知書や支払通知書との違い
- 非課税口座廃止通知書との違いと再発行方法
- SBI証券・楽天証券での確認方法
非課税口座内上場株式等払出通知書とは?
非課税口座内上場株式等払出通知書とは、NISA口座などの非課税口座で保有していた上場株式や投資信託が、特定口座または一般口座などへ払い出されたことを知らせる書類です。
証券会社によっては、書面名が「非課税口座内保管上場株式等払出通知書」「非課税口座内上場株式等払出通知書」または単に「払出通知書」と表示されることがあります。
書面名に「払出」と記載されていても、必ずしも商品を売却して現金を引き出したという意味ではありません。ここでいう払出しとは、株式や投資信託をNISA口座から課税口座などへ移す処理を指します。
通知書が届いても税金が直ちに発生するとは限らない
NISA口座から特定口座や一般口座へ商品が移管されただけでは、通常、その移管自体によって譲渡益に課税されるわけではありません。
課税口座へ移管された後に商品を売却し、課税口座での取得価額を上回る利益が生じた場合に、その利益が課税対象となります。そのため、払出通知書は、将来売却するときの税金計算に関係する重要な資料です。
非課税口座内上場株式等払出通知書が届く主な理由
旧一般NISAの非課税期間が終了した
2023年までの一般NISAには、購入した年を含めて5年間の非課税保有期間があります。非課税期間が終了するまで商品を売却しなかった場合は、翌年に特定口座または一般口座へ払い出されます。
たとえば、2021年の一般NISAで購入した商品は、原則として2025年末で5年間の非課税期間が終了します。売却せずに保有を続けた場合は、2026年に課税口座へ移管されるため、払出通知書が交付されることがあります。
2023年までの一般NISAで保有する商品を、2024年から始まった新しいNISAへ移管することはできません。旧NISAの商品は、旧制度の非課税期間が終わるまで非課税で保有し、期間終了後は課税口座へ移管されます。
旧つみたてNISAの非課税期間が終了した
2023年までのつみたてNISAには、購入年から20年間の非課税保有期間があります。非課税期間終了時に商品を保有している場合は、原則として特定口座または一般口座へ払い出されます。
旧つみたてNISAの非課税期間終了は一般NISAより先になるため、現時点で期間満了による払出しが多いのは、主に旧一般NISAやジュニアNISAの商品です。
NISA口座を廃止した
NISA口座自体を廃止し、口座内の商品を課税口座へ移した場合にも、払出通知書が交付されることがあります。
ただし、NISA口座の金融機関を変更しただけでは、変更前の金融機関で保有している商品を変更後の金融機関へ移すことはできません。変更前の金融機関の商品は、その金融機関のNISA口座で引き続き保有できます。
相続や贈与によりNISA口座から払い出された
NISA口座の名義人が亡くなった場合、NISA口座内の商品を相続人のNISA口座へそのまま移すことはできません。原則として相続人の特定口座または一般口座へ移管されます。
この場合の取得価額は、通常の期間満了による払出しとは異なり、原則として相続開始日の終値に相当する金額などが基準になります。
ジュニアNISA口座から払い出された
ジュニアNISAは2023年で新規投資が終了しましたが、すでに保有している商品は一定の条件で非課税保有を継続できます。
非課税期間の終了、口座廃止、本人が一定の年齢に達した後の移管などにより、ジュニアNISAから課税口座へ商品が払い出されると、払出通知書が交付される場合があります。
通知書に記載されている主な項目と読み方
書面の様式や表示名は金融機関によって異なりますが、主に次のような情報が記載されます。
| 記載項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 銘柄名 | 払い出された株式や投資信託の名称 |
| 銘柄コード | 上場株式などを識別する番号 |
| 数量・口数 | 課税口座へ移された株数や口数 |
| 払出年月日 | NISA口座から払い出された日 |
| 取得価額 | 課税口座で売却損益を計算する際の基準額 |
| 払出し時の価額 | 払出日における時価などを基に計算された金額 |
| 移管先 | 特定口座または一般口座などの区分 |
最も重要なのは課税口座での取得価額
旧NISAの非課税期間満了によって課税口座へ移管された場合は、原則として、非課税期間が終了した時点の時価が課税口座での新しい取得価額になります。
NISAで購入した当初の価格を、そのまま課税口座での取得価額として使用するわけではありません。
たとえば、NISA口座で50万円で購入した商品が、非課税期間終了時に80万円になっていた場合、課税口座での取得価額は原則として80万円です。その後90万円で売却すると、課税口座での利益は10万円として計算されます。
反対に、50万円で購入した商品が期間終了時に30万円まで下がり、その後40万円で売却した場合、課税口座では30万円から40万円へ上昇した10万円が利益として計算されます。
NISAでの当初購入額50万円と比べれば10万円の損失ですが、税務上は10万円の利益になる点に注意が必要です。
通知書は単なるお知らせではなく、将来の売却益を左右する取得価額の記録です。確定申告が必要になるケースと保管方法は次のページで確認しましょう。


