金融商品取引業者とは?登録一覧の検索方法・第1種と第2種の違い・確認すべき義務を解説

金融商品取引業者の付随業務とは?

金融商品取引業者は、登録を受けた金融商品取引業に加え、法令で定められた付随業務を行える場合があります。

付随業務には、本業と密接に関係する次のような業務が含まれることがあります。

  • 有価証券に関する情報提供
  • 資産管理に関連する業務
  • 企業の資金調達に関する支援
  • 有価証券の保管や事務処理
  • 金融商品取引に関連する貸付け

具体的に行える業務は、登録種別や法令上の条件によって異なります。

付随業務の範囲を超えて別の事業を行う場合、事前の届出や承認が必要になることがあります。会社が提供しているサービスのすべてが、金融商品取引業として行われているとは限りません。

金融商品取引業者と銀行の違い

銀行は預金、貸付け、為替取引などを中心に行う金融機関です。一般的な銀行は、証券会社と同じ金融商品取引業者としてではなく、一定の金融商品取引を行う登録金融機関として登録されます。

比較項目 金融商品取引業者 銀行・登録金融機関
主な法律 金融商品取引法 銀行法・金融商品取引法
主な業務 株式等の売買、ファンド販売、助言、運用 預金、貸付け、為替、一定の金融商品販売
登録番号の表示 財務局長(金商)第○号 財務局長(登金)第○号
株式売買の一般的な窓口 証券会社 原則として証券会社とは取扱範囲が異なる

銀行のウェブサイトに「関東財務局長(登金)第○号」と表示されている場合、その番号は登録金融機関としての登録番号です。「金商」の登録番号とは異なります。

金融商品取引業者と商品先物取引業者の違い

商品先物取引業者は、金、原油、農産物などの商品先物取引について、商品先物取引法に基づく許可を受けた事業者です。

金融商品取引業者は金融庁・財務局の監督を受け、商品先物取引業者は商品先物取引法に基づき、農林水産省や経済産業省の監督を受けます。

同じ会社が金融商品取引業者と商品先物取引業者の両方に該当する場合があります。そのため、広告に次の2つが並んで表示されることがあります。

  • 金融商品取引業者
  • 商品先物取引業者

両方が表示されていても、金融商品と商品先物のリスクや契約条件が同じという意味ではありません。

特定金融商品取引業者等とは?

特定金融商品取引業者等とは、金融商品取引業者等のうち、有価証券関連業を行う第1種金融商品取引業者や、政令で定められた登録金融機関などを指します。

この区分は、一般利用者向けの登録ランクを表すものではありません。主に、グループ会社を含む取引によって顧客の利益が不当に害されないよう、利益相反管理体制を整備する対象を定めるための用語です。

特定金融商品取引業者等には、次のような対応が求められます。

  • 利益相反のおそれがある取引を特定する
  • 関係部門を分離する
  • 取引条件や方法を変更する
  • 必要に応じて取引を中止する
  • 顧客へ利益相反のおそれを開示する
  • 利益相反管理方針を策定・公表する
  • 管理の記録を保存する

金融商品取引業者の事業報告書

金融商品取引業者は、事業年度ごとに事業報告書を作成し、原則として事業年度終了後3か月以内に提出する必要があります。

事業報告書には、登録種別に応じて次のような情報が記載されます。

  • 会社や役員の概要
  • 営業所の状況
  • 業務の内容
  • 取引や顧客数の状況
  • 財務情報
  • 自己資本規制比率など
  • 関連会社や委託先の状況

また、金融商品取引業者は、業務や財産の状況を記載した説明書類を作成し、営業所などで利用者が閲覧できるようにする義務があります。

事業者によっては、公式サイトの会社情報やディスクロージャー欄で説明書類を公開しています。

金融商品取引業者の届出とは?

登録後に会社情報や業務内容が変わった場合、事業者は変更内容に応じて財務局などへ届出や変更登録の申請を行います。

対象となる主な変更には、次のようなものがあります。

  • 商号や名称の変更
  • 本店所在地の変更
  • 営業所の新設・移転・廃止
  • 役員や重要な使用人の変更
  • 資本金の変更
  • 他に行っている事業の変更
  • 業務の内容や方法の変更
  • 加入する金融商品取引業協会の変更

第1種から投資運用業を追加するなど、業務種別を追加する場合は、単なる届出ではなく変更登録と審査が必要です。

金融商品取引業者等変更届出書とは?

「金融商品取引業者等変更届出書」という名称は、NISA口座を開設する金融機関を変更する手続きでも使われます。

これは、証券会社自身が登録内容を変更するための書類ではなく、NISA利用者が金融機関を変更するため、現在の金融機関へ提出する書類です。

NISA金融機関変更の基本的な流れ

  1. 現在NISA口座を開設している金融機関へ変更を申し込む
  2. 金融商品取引業者等変更届出書を提出する
  3. 現在の金融機関から勘定廃止通知書を受け取る
  4. 新しい金融機関へ口座開設書類と勘定廃止通知書を提出する
  5. 税務署の確認後、新しい金融機関でNISA口座が利用可能になる

変更後の金融機関でNISA口座を利用したい年の前年10月1日から、その年の9月30日までが、原則的な変更手続き期間です。

ただし、届出書を提出する前に、その年のNISA口座ですでに買付けを行っている場合、その年分の金融機関は変更できません。

変更前の金融機関で保有しているNISA商品は、新しい金融機関のNISA口座へ移管できません。変更前の金融機関で非課税期間中の保有を継続するか、売却することになります。

SBI証券からNISA金融機関を変更する場合

SBI証券から別の金融機関へNISA口座を変更する場合は、SBI証券の案内に従って金融商品取引業者等変更届出書を請求・提出します。

変更先が楽天証券などの場合でも、最初の手続きは現在NISA口座を保有するSBI証券側で行います。

SBI証券は金融商品取引業者?

2026年5月31日時点の金融庁登録一覧では、株式会社SBI証券は次の登録を受けています。

項目 登録内容
商号 株式会社SBI証券
登録番号 関東財務局長(金商)第44号
第1種金融商品取引業 登録あり
第2種金融商品取引業 登録あり
投資助言・代理業 登録あり
投資運用業 登録一覧上は登録なし

SBI証券のウェブサイトで提供されるすべての運用サービスを、SBI証券自身が投資運用業者として運用しているという意味ではありません。サービスによっては、別の投資運用会社が運用を担当します。

楽天証券は金融商品取引業者?

2026年5月31日時点の金融庁登録一覧では、楽天証券株式会社は次の登録を受けています。

項目 登録内容
商号 楽天証券株式会社
登録番号 関東財務局長(金商)第195号
第1種金融商品取引業 登録あり
第2種金融商品取引業 登録あり
投資助言・代理業 登録あり
投資運用業 登録あり

同じ証券会社でも、金融商品やサービスによって適用される契約、手数料、リスク、資産管理方法は異なります。会社の登録だけでなく、各商品の契約締結前交付書面を確認してください。

金融商品取引業者への苦情を解決する方法

取引や勧誘に疑問がある場合は、まず金融商品取引業者の顧客相談窓口や苦情受付窓口へ連絡します。

連絡前には、次の資料を整理しておきましょう。

  • 契約締結前交付書面
  • 契約締結時交付書面
  • 取引報告書
  • メールやチャットの履歴
  • 担当者から受けた説明の記録
  • 入出金記録
  • 広告や勧誘資料
  • 希望する対応内容

FINMACへ相談する

証券・金融商品あっせん相談センターのFINMACは、株式、投資信託、FXなどの金融商品取引に関する相談・苦情を受け付けています。

事業者との話し合いで解決しない場合は、弁護士があっせん委員となる紛争解決手続を利用できる場合があります。

FINMACが事業者へ損害賠償を命令する制度ではなく、当事者間の話し合いによる解決を目指す制度です。双方の合意に至らず、手続が終了する場合もあります。

金融庁・財務局への情報提供

無登録営業、虚偽の登録番号、断定的な勧誘などが疑われる場合は、金融庁や管轄財務局へ情報提供できます。

金融庁や財務局は、個別の損害賠償請求を代理する機関ではありません。返金や損害賠償を求める場合は、FINMAC、消費生活センター、弁護士などへの相談も検討します。

金融商品取引業者を確認するチェックリスト

  • 金融庁の最新一覧に正式な商号があるか
  • 登録番号が商号と一致しているか
  • 所在地と電話番号が一致しているか
  • 提供サービスに必要な業務種別を登録しているか
  • 金融庁の無登録業者一覧に掲載されていないか
  • 登録票や加入協会が確認できるか
  • 契約締結前交付書面が提供されているか
  • 手数料とリスクが具体的に表示されているか
  • 振込先口座が事業者名義になっているか
  • 利益を保証する説明がないか
  • 出金や解約の条件を確認したか
  • 苦情受付窓口が明示されているか

まとめ|登録番号だけでなく商号・業務種別・連絡先まで確認しよう

金融商品取引業者は、金融商品取引法に基づき、金融商品取引業を行うための登録を受けた事業者です。業務は第1種、第2種、投資助言・代理業、投資運用業の4種別に分かれます。

登録を受けている事業者でも、すべての金融商品取引業を行えるわけではありません。実際に登録されている業務種別を金融庁の登録一覧で確認する必要があります。

登録番号だけを見て判断することは危険です。無登録業者が実在する証券会社の商号や番号を盗用した事例もあるため、正式な商号、本店所在地、代表電話番号まで照合しましょう。

金融商品取引業者には、誠実・公正義務、適合性原則、説明義務、広告規制、分別管理、苦情処理などが求められます。ただし、登録制度は投資商品の元本や利益を保証するものではありません。

SBI証券は関東財務局長(金商)第44号、楽天証券は関東財務局長(金商)第195号として登録されています。また、関東財務局長(金商)第165号は、2026年5月31日時点ではマネックス証券の登録番号です。

「金融商品取引業者等変更届出書」は、NISA口座の金融機関変更にも使われる名称です。金融商品取引業者自身の登録変更届とは異なるため、書類の目的を確認してください。

本記事は金融商品取引業者の登録制度に関する一般的な情報を解説するものであり、特定の証券会社、金融商品、投資サービスの利用を推奨するものではありません。登録状況や法令は変更される可能性があるため、契約前には金融庁、財務局、各事業者の最新情報を確認してください。

<参考サイト>金融庁 / e-Gov法令検索 / 関東財務局 / 証券・金融商品あっせん相談センター(FINMAC) / 日本証券業協会 / 一般社団法人第二金融商品取引業協会 / 一般社団法人日本投資顧問業協会 / SBI証券 / 楽天証券 / マネックス証券