金融商品取引業者一覧を確認する方法
金融商品取引業者の登録状況は、金融庁が公開している「免許・許可・登録等を受けている事業者一覧」で確認できます。
2026年1月30日からは、業種をまたいで事業者名、電話番号などを確認できる「金融事業者一括検索機能」も提供されています。
2026年5月31日時点の金融庁の登録一覧では、金融商品取引業者の総数は1,945者です。ただし、同じ事業者が複数の業務種別で登録を受けているため、各種別の合計と総業者数は一致しません。
| 登録種別 | 登録数 |
|---|---|
| 第1種金融商品取引業 | 292者 |
| 第2種金融商品取引業 | 1,225者 |
| 投資助言・代理業 | 995者 |
| 投資運用業 | 462者 |
| 金融商品取引業者の総数 | 1,945者 |
一覧で照合する項目
事業者を確認するときは、登録番号だけでなく、次の項目を照合します。
- 金融商品取引業者の正式な商号
- 登録番号
- 本店所在地
- 代表電話番号
- 法人番号
- 登録年月日
- 登録を受けている業務種別
- 加入している金融商品取引業協会
- 電子募集取扱業務などの登録状況
広告やウェブサイトに書かれた名称と、金融庁一覧の商号が一致しない場合は注意が必要です。ブランド名だけが表示されている場合は、運営会社の正式名称を確認してください。
金融商品取引業者名と支店名の違い
金融商品取引業者名は、登録を受けている法人や事業者の正式名称です。支店名は、その事業者が設けている営業拠点の名称です。
登録番号は原則として事業者単位で付与されます。支店ごとに別の金融商品取引業者登録番号が付与されるわけではありません。
振込先や申込書に支店名だけが書かれている場合は、登録事業者の正式な商号、本店所在地、公式電話番号まで確認しましょう。
登録番号を盗用した無登録業者に注意
無登録業者が、実在する金融商品取引業者の登録番号や商号を無断で表示する事例があります。
特に、次のような確認方法は十分ではありません。
- 登録番号が書かれているため信用する
- 財務局の名称が表示されているため信用する
- 金融商品取引業協会のロゴがあるため信用する
- SNSのプロフィールに登録番号があるため信用する
- 担当者が登録証の画像を送ってきたため信用する
金融庁は、無登録業者が「関東財務局長(金商)第165号」を表示していた事例を公表しています。
2026年5月31日時点の正式な登録一覧で、関東財務局長(金商)第165号はマネックス証券株式会社の登録番号です。別の名称を名乗る業者が同番号を表示していても、その業者が登録を受けていることにはなりません。
登録業者を安全に照合する手順
- 金融庁の金融事業者検索または登録一覧を開く
- 登録番号を入力して正式な商号を確認する
- 商号、所在地、電話番号を照合する
- 登録されている業務種別を確認する
- 金融庁の無登録業者一覧も確認する
- 一覧に記載された代表電話へ自分から連絡する
メールやSNSで案内された電話番号ではなく、金融庁一覧や正規の公式サイトに掲載された電話番号を使うことが重要です。
金融商品取引業者の主な義務
金融商品取引業者には、登録を受けるだけでなく、営業中もさまざまな義務が課されます。
顧客に対する誠実・公正義務
金融商品取引業者とその役職員は、顧客に対して誠実かつ公正に業務を行わなければなりません。
顧客の利益より事業者側の手数料収入を不当に優先する行為や、重要な情報を隠して契約させる行為は認められません。
適合性原則
顧客の知識、投資経験、財産の状況、契約目的に照らし、著しく不適当な勧誘を行わないことが求められます。
同じ金融商品であっても、十分な余裕資金がある人と、生活費を投資しようとする人では、適切性の判断が異なる場合があります。
契約締結前の情報提供
原則として、契約前に手数料、リスク、契約の概要などを記載した契約締結前交付書面を提供する必要があります。
書面を渡すだけでなく、顧客の知識や経験などに応じて、理解に必要な方法と程度で説明することが求められます。
断定的判断の提供などの禁止
「必ず値上がりする」「損失は発生しない」など、不確実な事項について確実であると誤解させる勧誘は認められません。
損失補填の禁止
取引によって生じた損失を事業者が補填することや、事前に損失補填を約束することは、原則として禁止されています。
顧客資産の分別管理
顧客から預かった金銭や有価証券を取り扱う事業者には、自社の財産と顧客資産を区分して管理する義務があります。
分別管理は、投資商品の値下がりを防ぐ制度ではありません。事業者の財産と顧客資産を分けて管理するための制度です。
広告表示の規制
広告には、金融商品取引業者である旨、登録番号、リスク、手数料など、法令で求められる事項を表示する必要があります。
利益だけを大きく表示し、損失の可能性や費用を分かりにくくする広告は問題となる場合があります。
金融商品取引業者登録票とは?
金融商品取引業者は、営業所や事務所ごとに、公衆の見やすい場所へ所定の標識を掲示する必要があります。
一般に「金融商品取引業者登録票」と呼ばれ、主に次の内容が記載されます。
- 金融商品取引業者である旨
- 登録番号
- 商号または名称
- 登録を受けている業務種別
- 加入している金融商品取引業協会
現在は、原則として営業所の標識と同じ内容を、事業者のウェブサイトでも確認できるようにする制度が設けられています。ただし、従業員数やウェブサイトの有無などによる例外があります。
登録票を確認するときは、登録番号だけでなく、業務種別も確認しましょう。投資助言・代理業だけの登録事業者が、顧客資産を預かって一任運用を行うことはできません。
金融商品取引業者になるための資格はある?
「金融商品取引業者」という名称の個人資格や国家試験があるわけではありません。事業者が法令上の要件を整え、金融商品取引業の登録を受ける制度です。
登録審査では、業務種別に応じて次のような項目が確認されます。
- 資本金や純財産額などの財務基盤
- 役員などが欠格事由に該当しないこと
- 業務を適切に行える人的構成
- 法令遵守と内部管理の体制
- 顧客情報を管理する体制
- 苦情・紛争処理の体制
- システムリスク管理
- 利益相反管理
証券会社などで勧誘や注文受注を担当する人には、別途、外務員登録が必要になる場合があります。外務員資格と金融商品取引業者の登録は別の制度です。
金融商品取引業者向けの監督指針とは?
金融庁は「金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針」を公表しています。
監督指針には、金融庁や財務局が事業者を監督するときの基本的な考え方や、確認する項目、問題が見つかった場合の対応などが整理されています。
主な分野は次のとおりです。
- 経営管理
- 法令等遵守
- 顧客本位の業務運営
- 適合性原則と説明態勢
- 広告・勧誘管理
- 顧客情報管理
- 利益相反管理
- システムリスク管理
- 苦情・紛争処理
- 事業報告書や各種届出
監督指針は一般の利用者向けの商品説明書ではありませんが、事業者へどのような管理態勢が求められているかを確認する資料になります。
金融商品取引業者には、登録後も事業報告書、変更届出、苦情処理などの継続的な対応が必要です。銀行や商品先物業者との違いも次のページで整理します。



