つみたて投資枠の対象銘柄とおすすめの選び方
対象銘柄は金融庁の基準を満たした商品に限定される
つみたて投資枠で購入できるのは、長期・積立・分散投資に適するものとして、法令上の要件を満たした投資信託やETFです。
購入時手数料が原則無料であること、信託報酬が一定水準以下であること、信託期間が長いこと、毎月分配型ではないことなどの条件があります。
金融庁の対象商品一覧に掲載されていても、すべての証券会社や銀行が取り扱っているとは限りません。実際に購入できるかは、利用する金融機関の取扱商品一覧でも確認する必要があります。
人気銘柄では全世界株式型やS&P500型が上位に入りやすい
2026年7月時点の大手ネット証券の公式ランキングでは、全世界の株式に分散する投資信託や、米国のS&P500指数への連動を目指す投資信託が上位に見られます。
ただし、人気があることと、自分の運用目的に適していることは同じではありません。ランキングは集計期間、買付金額、買付件数、積立設定件数などによって順位が変わります。
銘柄を選ぶときに確認したい5つのポイント
- 投資対象:全世界、米国、日本、先進国、欧州など、どこに投資する商品か
- 分散度:特定の国や業種に偏りすぎていないか
- 信託報酬:保有中に継続して負担するコストが高すぎないか
- 純資産総額:安定して資金が集まり、運用を継続できる規模があるか
- 値動きの大きさ:下落時にも保有と積立を続けられるか
同じ指数への連動を目指す商品が複数ある場合は、信託報酬だけでなく、指数との値動きの差、純資産総額、運用実績、実質的な費用も比較します。
つみたて投資枠でETFは購入できる?
つみたて投資枠ではETFも対象になり得ますが、対象本数は投資信託より少数です。金融庁が2026年7月3日に公表した一覧では、つみたて投資枠の対象ETFは9本です。
対象には、TOPIX、日経平均株価、JPX日経インデックス400、S&P500、全世界株式、先進国株式、新興国株式などへの連動を目指すETFが含まれます。
ETFは市場で売買され、一般的な投資信託とは注文方法や分配金の取扱いが異なります。また、金融庁の対象ETFであっても、利用する金融機関がつみたて投資枠で取り扱っていない場合があります。
欧州株に投資できる銘柄はある?
つみたて投資枠では、欧州株を主な投資対象とする商品も選べます。金融庁の2026年7月公表一覧には、STOXXヨーロッパ600指数への連動を目指す投資信託や、欧州株に投資するアクティブファンドなどが掲載されています。
また、全世界株式型や先進国株式型の投資信託にも、欧州企業が一定割合含まれています。欧州だけに集中させるのか、米国や日本を含む形で幅広く分散するのかを考えて選びましょう。
欧州株型には、株価変動に加えてユーロや英ポンドなどの為替変動の影響を受ける商品があります。円高になると、現地通貨建ての資産価格が変わらなくても、円換算した価格が下がる場合があります。
NASDAQ100に連動する銘柄も対象
NASDAQ100は、米国のNASDAQ市場に上場する非金融分野の大手企業を中心に構成される指数です。金融庁のつみたて投資枠対象一覧には、NASDAQ100指数への連動を目指す投資信託も掲載されています。
NASDAQ100型は、情報技術や通信サービスなど一部の大型企業の影響を受けやすく、全世界株式型やS&P500型より値動きが大きくなることがあります。
過去の上昇率だけを見て選ぶのではなく、特定の国、業種、企業への集中度を確認することが大切です。全世界株式型などと組み合わせても、保有銘柄が重複して米国の大型テクノロジー企業への投資比率が想定以上に高くなる場合があります。
ゴールドはつみたて投資枠で購入できる?
2026年7月時点の金融庁の対象商品一覧には、金そのものや金価格への連動を主な目的とする一般的なゴールドファンド、金ETFは、つみたて投資枠の対象商品として掲載されていません。
ゴールドに投資したい場合は、成長投資枠の対象となっている金ETFなどを利用する方法があります。ただし、すべてのゴールドファンドや金ETFが成長投資枠の対象になるわけではありません。商品画面に表示されるNISAの対象区分を必ず確認してください。
金は利息や配当を生まない一方、株式や債券と異なる値動きをすることがあります。分散先として利用されることがありますが、金価格や為替相場の変動によって損失が発生する可能性があります。
SBI証券と楽天証券はどちらを選ぶ?
| 比較項目 | SBI証券 | 楽天証券 |
|---|---|---|
| 最低積立金額 | 原則100円から | 100円から |
| 主な積立頻度 | 毎日・毎週・毎月など | 毎月・毎日など |
| ボーナス設定 | 年2回まで設定可能 | 利用可能。ただし決済方法などに制限あり |
| 年間枠の調整機能 | NISA枠ぎりぎり注文 | つみたて投資枠使い切り設定 |
| クレジットカード積立 | 三井住友カードなどに対応 | 楽天カードに対応 |
どちらも少額から積み立てられますが、取扱銘柄、積立頻度、決済方法、ポイント付与条件、アプリの操作性などが異なります。
ポイント付与率や対象カードの条件は変更されることがあります。ポイントだけで決めず、購入したい銘柄があるか、資金を入金しやすいか、積立設定を管理しやすいかを含めて比較しましょう。
積立金額や銘柄は途中変更できる
つみたて投資枠では、積立金額、銘柄、積立日、引落方法などを途中で変更できます。積立を一時的に停止したり、設定を解除したりすることも可能です。
ただし、設定変更には締切日があります。締切後に変更すると、次回ではなく翌々回の買付から反映される場合があります。
積立銘柄を変更しても、以前に購入した商品が自動的に売却されるわけではありません。旧銘柄を保有したまま新しい銘柄の積立を始めることも、旧銘柄を売却することもできます。
利用前に確認したい注意点
- NISA口座の損失は、特定口座や一般口座の利益と損益通算できない
- 損失を翌年以降に繰り越す繰越控除も利用できない
- 年間投資枠の未使用分は翌年に繰り越せない
- 売却で復活するのは翌年以降の非課税保有限度額であり、売却した年の年間枠ではない
- 投資信託やETFには元本割れの可能性がある
- 生活費や近い将来に使う資金を無理に投資しない
つみたて投資枠は、対象商品が一定の基準を満たしているため銘柄を絞り込みやすい制度です。一方で、対象商品であれば必ず利益が出るわけではありません。
一括投資に近い買い方を急ぐより、投資目的、運用期間、毎月の家計、価格が下落したときに耐えられる金額を整理し、継続可能な積立設定を行うことが大切です。
<参考サイト> 金融庁 NISA特設ウェブサイト / 金融庁 つみたて投資枠対象商品 / 日本証券業協会 / 資産運用業協会 / SBI証券 / 楽天証券

