約定金額は、株式や投資信託などの取引が成立した金額を確認するための重要な項目です。しかし、注文画面に表示された概算額、口座から一時的に差し引かれる拘束金、最終的に支払う受渡金額が異なることも少なくありません。本記事では、約定値段との関係、株式と投資信託の計算方法、NISA枠への反映、確定申告、SBI証券・楽天証券での確認方法、約定返済金額との違いまで整理して解説します。

この記事の目次
- 約定金額とは何を表す金額か
- 約定値段・注文金額・受渡金額との違い
- 株式の約定金額を計算する方法
- 概算約定金額と確定額が異なる理由
- 拘束金と買付余力の仕組み
- 投資信託の約定金額と金額指定注文
- NISAで約定金額を確認する際の注意点
- SBI証券・楽天証券での確認方法
- 確定申告に使用する金額
- 約定返済金額との違い
約定金額とは?取引が成立した商品の代金
約定とは、株式や投資信託などの売買が成立することです。注文を入力しただけでは取引は成立しておらず、売買条件が合致して初めて約定となります。
約定金額は、一般に約定した金融商品の代金を表します。国内株式では、次の式で計算するのが基本です。
約定金額=約定値段×約定株数
例えば、1株2,000円で100株の買い注文が成立した場合、約定金額は20万円です。
- 約定値段:2,000円
- 約定株数:100株
- 約定金額:2,000円×100株=20万円
証券会社の画面では、「約定金額」ではなく「約定代金」や「売買代金」と表示されることもあります。画面上の用語は異なっても、国内株式では約定値段に株数を掛けた商品の代金を示すのが一般的です。
約定値段とは?約定金額との違い
約定値段とは、売買が成立した1株当たりの価格です。約定価格や約定単価と呼ばれる場合もあります。
| 項目 | 意味 |
|---|---|
| 約定値段 | 実際に売買が成立した1株当たりの価格 |
| 約定株数 | 実際に売買が成立した株数 |
| 約定金額 | 約定値段に約定株数を掛けた商品の代金 |
1株2,000円で100株が約定した場合、約定値段は2,000円、約定金額は20万円です。
「2,000円」と「20万円」はどちらも取引画面に表示されますが、1株当たりの価格なのか、全株数の合計額なのかが異なります。
約定金額と受渡金額の違い
約定金額と受渡金額は同じとは限りません。
約定金額は商品の売買代金です。これに対して受渡金額は、手数料や税金などを加減した後、実際に口座で精算される金額を指します。
株式を購入する場合
買付時の受渡金額は、一般に次のように計算されます。
買付時の受渡金額=約定金額+売買手数料+手数料にかかる消費税など
約定金額が20万円、税込手数料が550円の場合、受渡金額は20万550円です。
株式を売却する場合
売却時は、約定金額から手数料や税金などが差し引かれます。
売却時の受渡金額=約定金額-売買手数料-税金など
売買手数料が0円でも、特定口座の源泉徴収ありで売却益が発生した場合は、譲渡益に対する税金が差し引かれることがあります。
約定金額と受渡金額の比較
| 項目 | 含まれる主な内容 |
|---|---|
| 約定金額 | 約定値段×約定数量で計算した商品の代金 |
| 受渡金額 | 約定金額に手数料や税金などを加減した最終的な精算額 |
| 概算受渡金額 | 注文前または約定直後に計算された暫定的な精算予定額 |
注文金額と約定金額の違い
注文金額は、注文時に指定した価格や金額を基にしたものです。約定金額は、実際に取引が成立した結果として確定します。
例えば、1株2,000円以下で100株購入する指値注文を出しても、1株1,990円で約定することがあります。
- 指値:1株2,000円
- 実際の約定値段:1株1,990円
- 約定株数:100株
- 約定金額:19万9,000円
指値は「2,000円ちょうどで買う」という意味ではなく、原則として「2,000円以下であれば買う」という条件です。有利な価格で取引が成立すれば、指定価格より約定金額が少なくなります。
約定金額の概算とは?確定額ではない点に注意
注文画面に「約定金額(概算)」や「概算約定代金」と表示されることがあります。これは、まだ約定値段が決まっていない段階で算出された参考額です。
概算額は、次のような価格を基準に計算される場合があります。
- 注文時に指定した指値
- 現在値
- 前営業日の終値
- 値幅制限の上限価格
- 投資信託の前営業日の基準価額
- 外国株式に適用する概算為替レート
計算方法は商品や証券会社によって異なります。概算と表示されている金額は、最終的な約定金額や受渡金額ではありません。
概算約定金額と実際の金額が異なる主な理由
成行注文では約定値段が事前に確定しない
成行注文は価格を指定せずに発注するため、注文時点では実際の約定値段が分かりません。証券会社は不足金が発生しにくいよう、現在値より高い金額を基準に買付余力を拘束することがあります。
実際の約定値段が概算計算の基準より低ければ、約定後に余った金額が買付余力へ戻されます。
注文が複数の価格に分かれて約定した
100株を1回で注文しても、すべてが同じ価格で約定するとは限りません。
例えば、次のように分かれて約定する場合があります。
- 1,000円で40株
- 1,001円で60株
この場合の約定金額は、価格ごとに計算した金額の合計です。
1,000円×40株+1,001円×60株=10万60円
画面によっては、複数の約定をまとめた平均約定単価が表示されることもあります。
手数料や税金が加減された
約定金額には、通常、売買手数料や譲渡益に対する税金は含まれません。約定金額と口座の増減額を比較すると、手数料や税金の分だけ差が生じることがあります。
為替レートが確定していない
外国株式を円貨決済で売買する場合、外貨建ての約定金額が確定しても、円換算する為替レートが後から確定する場合があります。
その場合、当初表示された概算受渡金額と、最終的な円貨受渡金額が異なります。
概算額が大きく表示される背景には、証券会社が買付代金の不足を防ぐために行う「拘束」が関係しています。その仕組みは次のページで整理します。


