約定金額とは?受渡金額との違い・計算方法・概算額が変わる理由をわかりやすく解説

約定金額を確認する方法

約定金額は、証券会社の注文照会、約定履歴、取引履歴などで確認できます。画面名は証券会社やアプリによって異なりますが、一般に次の項目が表示されます。

  • 銘柄名またはファンド名
  • 売買区分
  • 注文日
  • 約定日
  • 約定値段または約定単価
  • 約定数量
  • 約定金額または約定代金
  • 手数料と消費税
  • 受渡金額
  • 受渡日
  • 口座区分

注文が複数回に分かれて約定した場合は、注文単位の合計額だけでなく、約定明細も確認しましょう。

取引報告書で確認する

約定した取引については、証券会社から取引報告書が交付されます。電子交付を選択している場合は、ログイン後の電子書面や報告書の画面から確認できます。

取引報告書には、約定日、受渡日、約定単価、数量、約定代金、手数料、税金、受渡金額などが記載されます。

画面上の概算値ではなく、確定した金額を確認したい場合は、約定履歴または取引報告書を見るのが確実です。

SBI証券で約定金額を確認する際のポイント

SBI証券では、国内株式、投資信託、外国株式などの商品ごとに注文照会や約定履歴が用意されています。

国内株式では、注文照会や取引履歴から約定単価、約定株数、約定代金などを確認します。発注直後に表示される概算受渡金額は、まだ確定した約定金額ではありません。

SBI証券の国内株式における成行買い注文では、注文時の概算受渡金額が基準値段と値幅制限などを考慮して計算される場合があります。そのため、現在値に株数を掛けた金額より大きな買付余力が必要になることがあります。

約定後は、実際の約定単価で受渡金額が再計算され、概算額との差額が買付余力へ戻されます。不足金が発生した場合は、指定された期限までに入金が必要です。

SBI証券の投資信託で確認する項目

投資信託の注文状況や約定履歴では、次の項目を確認できます。

  • 注文金額または注文口数
  • 約定日
  • 受渡日
  • 約定基準価額
  • 約定金額
  • 約定数量
  • 手数料や税額
  • 受渡金額

金額指定注文では、指定した金額に応じて約定数量が計算されます。口数指定注文では、約定日の基準価額によって約定金額が決まります。

楽天証券で約定金額を確認する際のポイント

楽天証券でも、注文照会や取引履歴、取引報告書から、約定単価、約定数量、約定代金、手数料、受渡金額などを確認できます。

国内株式を購入した際、約定単価と平均取得価額が異なることがあります。平均取得価額には購入手数料などが反映されるためです。

手数料が0円となる取引では同額になることがありますが、複数回の買付、端数処理、コーポレートアクションなどによって表示額が異なる場合もあります。

楽天証券の金額指定取引

楽天証券では、国内株式を100円以上1円単位で注文する金額指定取引が提供されています。指定した金額が拘束され、取引価格には所定のスプレッドが含まれます。

通常の100株単位の株式取引や単元未満株取引とは約定方法が異なるため、「指定金額」「約定金額」「保有数量」をそれぞれ確認することが大切です。

サービス内容、対象銘柄、スプレッド、約定時間は変更される可能性があるため、注文時に表示される最新の取引条件を確認してください。

約定金額は確定申告でそのまま使える?

確定申告では、約定金額だけで利益を計算するわけではありません。

上場株式等の譲渡所得は、原則として次の式で計算します。

譲渡所得等=売却代金-取得費-売却手数料等

取得費には、株式の購入代金だけでなく、購入時の委託手数料とその消費税なども含まれます。

計算例

株式を50万円で購入し、購入手数料が550円、60万円で売却し、売却手数料が660円だった場合は次の計算です。

  • 売却代金:60万円
  • 取得費:50万550円
  • 売却手数料:660円
  • 譲渡所得等:9万8,790円

売却時の約定金額から購入時の約定金額を差し引いただけでは、税務上の利益を正確に計算できません。

特定口座の源泉徴収あり

特定口座の源泉徴収ありでは、証券会社が取得費、売却代金、手数料などを基に損益を計算し、原則として税金を源泉徴収します。

その口座内の取引だけで課税関係が完結する場合は、通常、確定申告は不要です。ただし、他社口座との損益通算や譲渡損失の繰越控除を利用する場合は、確定申告が必要です。

特定口座の源泉徴収なし

特定口座の源泉徴収なしでは、証券会社から交付される特定口座年間取引報告書を基に確定申告します。

年間取引報告書には、年間の譲渡代金、取得費、手数料、譲渡損益などがまとめられています。通常は個別の約定金額を一件ずつ再計算する必要はありません。

一般口座

一般口座では、取引報告書などを基に自分で取得費と譲渡損益を計算します。購入日、購入価格、株数、購入手数料、売却価格、売却手数料などの記録を保管しておきましょう。

NISA口座

NISA口座で購入した対象商品の売却益は非課税であり、通常は確定申告の対象になりません。

NISA口座で損失が生じても、特定口座や一般口座の利益と損益通算することはできません。損失の繰越控除も利用できません。

約定返済金額とは?証券取引とは別の用語

約定返済金額は、主にカードローンや各種ローンで使われる言葉です。証券取引における約定金額とは意味が異なります。

ローンにおける約定返済とは、契約で決められた返済日に、決められた条件で返済することです。その返済日に支払う金額を約定返済金額または約定返済額と呼びます。

用語 主な分野 意味
約定金額 株式・投資信託など 売買が成立した商品の代金
約定返済金額 カードローン・各種ローン 契約上の返済日に支払う金額

約定返済金額には元金と利息が含まれるのが一般的ですが、その割合や金額の決まり方はローンの返済方式によって異なります。

追加返済や繰上返済をしても、次の約定返済が自動的になくなるとは限りません。具体的な返済額と返済日は、利用している金融機関の契約内容を確認してください。

約定金額についてよくある疑問

約定金額に手数料は含まれますか?

国内株式では、約定金額は約定値段に株数を掛けた商品の代金を指し、通常は売買手数料を含みません。手数料などを加減した金額は受渡金額として表示されます。

約定金額が注文金額より少ないのはなぜですか?

指値より有利な価格で約定した、注文の一部だけが約定した、金額指定取引で端数処理が行われたなどの理由が考えられます。注文照会の約定明細を確認してください。

約定金額が概算額より少ないのはなぜですか?

概算額は、値幅制限の上限や前営業日の価格などを使って多めに見積もられる場合があります。実際の約定値段が確定すると、不要となった拘束金が買付余力へ戻ります。

約定金額と評価額は同じですか?

同じではありません。約定金額は取引成立時の代金です。評価額は現在の価格などを基に計算した保有商品の時価であり、相場の変動によって増減します。

注文を取り消した場合も約定金額は発生しますか?

注文が一度も約定していなければ、約定金額は発生しません。ただし、一部約定した後に残りを取り消した場合は、成立済みの部分について約定金額が発生します。

約定したらすぐに出金できますか?

原則として、売却代金を出金できるのは受渡日以降です。ほかの商品の買付には受渡日前から利用できる場合がありますが、出金可能額への反映時期は証券会社や商品によって異なります。

約定金額を確認するときのチェックリスト

  • 表示されている金額は確定額か概算額か
  • 約定値段と約定株数はいくらか
  • 注文の全部が約定したか、一部約定か
  • 手数料と消費税が別に発生しているか
  • 売却益に対する源泉徴収税があるか
  • 受渡金額はいくらか
  • 受渡日はいつか
  • 拘束金が買付余力へ戻っているか
  • 投資信託の約定基準価額はいつ決まるか
  • NISAの残り年間投資枠に収まっているか
  • 外国株式では為替レートが確定しているか

まとめ|約定金額と実際の精算額を分けて確認しよう

約定金額は、金融商品の売買が成立した代金です。国内株式では、約定値段に約定株数を掛けて計算します。

受渡金額は、約定金額に手数料や税金などを加減した後、実際に精算される金額です。そのため、約定金額と口座から支払う金額、または口座へ入る金額は一致しない場合があります。

注文前に表示される「約定金額(概算)」や「概算受渡金額」は、価格変動や不足金を考慮した暫定額です。実際の約定後には、確定した約定値段を基に再計算されます。

投資信託では、約定日の基準価額が注文後に決まるため、注文時点で正確な約定口数や約定金額が分からないことがあります。外国株式の円貨決済では、為替レートの確定によって円換算額が変わる場合もあります。

確定額を確認するときは、証券会社の約定履歴や取引報告書を確認しましょう。確定申告では約定金額だけではなく、取得費、購入手数料、売却手数料などを含めて譲渡損益を計算します。

本記事は約定金額に関する一般的な仕組みを解説するものであり、特定の証券会社や金融商品の利用、売買を推奨するものではありません。表示方法や取引条件は変更される可能性があるため、実際の取引では利用している金融機関の最新情報と取引報告書を確認してください。

<参考サイト>金融庁 / 国税庁 / 日本取引所グループ / 金融経済教育推進機構 / 日本証券業協会 / SBI証券 / 楽天証券