金融商品取引業者とは、株式や投資信託などの売買、ファンドの募集、投資助言、資産運用といった金融商品取引業を行うため、金融商品取引法に基づく登録を受けた事業者です。ただし、登録番号が表示されているだけで安全性や運用成果が保証されるわけではありません。本記事では、登録一覧の確認方法、第1種・第2種・投資運用業・投資助言・代理業の違い、銀行との関係、登録票、報告書、苦情解決、変更届出書、SBI証券・楽天証券の登録内容まで整理して解説します。

この記事の目次
- 金融商品取引業者とは何か
- 第1種・第2種・投資運用業・投資助言の違い
- 金融商品取引業者一覧を検索する方法
- 登録番号から確認できること
- 金融商品取引業者の主な義務
- 登録票に記載される内容
- 銀行・商品先物取引業者との違い
- 報告書と変更届出
- 苦情・紛争を解決する方法
- SBI証券・楽天証券の登録内容
- NISAの金融商品取引業者等変更届出書
金融商品取引業者とは?内閣総理大臣の登録を受けた事業者
金融商品取引業者とは、金融商品取引法第29条に基づき、金融商品取引業を行うための登録を受けた者です。
英語ではFinancial Instruments Business Operatorと表記され、FIBOと略されることがあります。
実際の登録事務や監督は、金融庁や事業者の本店所在地を管轄する財務局などが行います。登録番号は、次のような形式で表示されます。
- 関東財務局長(金商)第44号
- 関東財務局長(金商)第165号
- 関東財務局長(金商)第195号
「関東財務局長」は登録を所管する財務局、「金商」は金融商品取引業者、「第○号」は事業者ごとに付与された番号を表します。
登録番号は商品ごとに付与される番号ではありません。事業者を識別するための番号であり、同じ事業者が複数のサービスを提供していても、原則として同じ登録番号を表示します。
登録は安全性や利益を保証する制度ではない
金融商品取引業者として登録されていることは、法令上の登録要件を満たし、監督の対象になっていることを示します。
一方、次の事項を保証するものではありません。
- 投資した元本が減らないこと
- 運用によって利益が出ること
- 紹介された商品がすべての人に適していること
- 事業者が将来にわたって行政処分を受けないこと
- 広告や勧誘内容を確認せず契約してよいこと
登録の有無と、商品の価格変動リスクや契約内容は分けて確認する必要があります。
金融商品取引業は4つの種別に分かれる
金融商品取引業には、主に次の4つの種別があります。
| 登録種別 | 主な業務 |
|---|---|
| 第1種金融商品取引業 | 株式・債券などの売買や仲介、引受け、店頭デリバティブ取引など |
| 第2種金融商品取引業 | 集団投資スキーム持分や一定の信託受益権などの募集・販売 |
| 投資助言・代理業 | 投資判断に関する助言、投資顧問契約等の締結の代理・媒介 |
| 投資運用業 | 投資信託やファンドの運用、投資一任契約に基づく資産運用 |
1社が複数の種別で登録を受けることもあります。金融商品取引業者として登録されていても、登録を受けていない種別の業務まで自由に行えるわけではありません。
第1種金融商品取引業とは?
第1種金融商品取引業は、流通性が比較的高い株式や債券などの取引を扱う業務です。一般的な証券会社の中心的な業務が該当します。
主な業務には、次のようなものがあります。
- 株式や債券などの売買
- 顧客注文の媒介・取次ぎ・代理
- 株式や債券などの募集・売出しの取扱い
- 有価証券の引受け
- 店頭デリバティブ取引
- 顧客からの金銭・有価証券の預託の受入れ
- 認可を受けたPTSの運営
すべての第1種金融商品取引業者が、これらの業務をすべて行っているわけではありません。登録一覧や会社の登録票では、有価証券関連業やPTS認可などの状況も確認できます。
第2種金融商品取引業とは?
第2種金融商品取引業は、集団投資スキーム持分など、金融商品取引法上の第2項有価証券を中心に取り扱う業務です。
主な対象には、次のようなものがあります。
- 匿名組合などを利用したファンド持分
- 一定の信託受益権
- 合同会社などを利用した集団投資スキーム持分
- 不動産信託受益権
- ファンド持分の自己募集
第2種金融商品取引業者が扱う商品には、証券取引所で日々売買されない非上場商品も多くあります。途中解約や譲渡が難しい場合があるため、登録の有無だけでなく、換金方法、分別管理、運用期間、手数料も確認しましょう。
第1種と第2種の違い
| 比較項目 | 第1種 | 第2種 |
|---|---|---|
| 主な対象 | 株式、債券、投資信託の受益証券など | ファンド持分、一定の信託受益権など |
| 一般的な事業者 | 証券会社、FX会社など | ファンド販売会社、不動産関連事業者など |
| 顧客資産の預託 | 登録内容に応じて受入れ可能 | 原則として第1種と同じ範囲では受け入れられない |
| 商品の流動性 | 取引所商品など比較的高いものが多い | 非上場で換金性が低いものもある |
| 主な確認点 | 手数料、価格変動、分別管理 | 事業内容、資金使途、償還・譲渡条件 |
第1種が第2種より常に安全という意味ではありません。実際のリスクは、販売される商品、取引方法、レバレッジ、発行体などによって異なります。
投資運用業とは?
投資運用業は、顧客やファンドから預かった資産について、実際の投資判断を行って運用する業務です。
代表例には、次の業務があります。
- 投資信託の運用
- 投資法人資産の運用
- 投資一任契約に基づく運用
- 一定のファンド財産の自己運用
投資判断に加えて売買権限まで任せる投資一任サービスを提供する場合、原則として投資運用業の登録が必要です。
投資助言・代理業とは?
投資助言・代理業は、金融商品の価値や投資判断について助言を行う業務です。
助言を受けた後に実際の売買を行うかどうかは、原則として顧客が判断します。運用会社が顧客に代わって投資判断と売買を行う投資運用業とは異なります。
また、投資顧問契約や投資一任契約の締結について代理・媒介を行う業務も、投資助言・代理業に含まれます。
登録番号が書かれていても、その番号が別会社から盗用された例があります。業者名・所在地・電話番号まで照合する具体的な方法を次のページで確認します。


