ドコモのStarlink Businessとは何か

Starlink Businessは、NTTドコモとNTTコミュニケーションズが企業向けに提供する衛星インターネットサービスです。アメリカのSpaceX社が打ち上げた地球の近くを周回する人工衛星「Starlink」を利用しています。

このサービスの最大の魅力は、山間部や離島、海上など、これまで通信環境が整わなかった場所でも高速なネット接続ができる点です。2025年3月からは新しいプランが始まり、50ギガバイトから6テラバイトまでの通信量から選択可能です。通信速度は、データを受信する際は最大220メガビーピーエス、送信時は最大25メガビーピーエスとなっています。

災害時のバックアップや遠隔地での業務改善など、様々な企業のニーズに応える通信基盤として、ドコモが正規販売店として提供しています。

Starlink Businessの主な活用シーン

Starlink Businessは、光回線の設置が難しい山間部や離島、海上などでの通信確保に大きな強みを持っています。建設現場や発電所、農業・林業の遠隔監視、災害時の通信手段の復旧、海上での業務連絡やデータ送信など、多様な業種で利用が進んでいます。

また、世界中で使えるプランや複数の場所で共有できるプランも用意されており、複数拠点や船舶での同時利用にも対応しています。

導入事例と今後の展望

企業や自治体では、先進的な通信技術の活用が急速に広がっています。特に災害対応の分野では、低軌道衛星を利用した通信システムが重要な役割を果たしています。

2024年初頭の能登半島地震では、地上回線が寸断された状況で、衛星経由の通信手段が基地局の素早い復旧に貢献しました。通常なら半年以上要する手続きを短縮し、被災地の通信環境を迅速に回復させた点が高く評価されています。

大きな装置と比べて運搬が簡単で、航空機でも運べるサイズのため、フェリーが動かない離島などでも活躍しました。設置時間も従来の半分程度で済み、必要な人員も少なくて済むため、効率的な支援活動が可能になっています。

さらに、地震だけでなく台風や豪雨、山火事など様々な自然災害の現場でも効果を発揮しています。現地到着日のうちに通信環境を復旧できたケースも報告されています。

これらの経験は今後の対策強化に生かされ、企業や行政機関は継続的に運用方法を改善しています。将来的には日常利用も含めた通信インフラの一部として、さらなる普及が期待されています。

出典:NTTDOCOMO