インターネット売買手数料と税金の関係
購入手数料は株式の取得費に含まれる
課税口座で株式を売却したときの利益は、売却代金から取得費と売却手数料などを差し引いて計算します。
株式の譲渡益=売却代金-取得費-売却手数料など
取得費には、株式の購入代金だけでなく、購入時に支払った手数料と、その手数料にかかる消費税も含まれます。
例えば、株式を50万円で購入し、購入手数料として550円を支払った場合、原則として取得費は50万550円です。その後、60万円で売却し、売却手数料として660円を支払った場合は、次のように計算します。
- 売却代金:60万円
- 取得費:50万550円
- 売却手数料:660円
- 譲渡益:9万8,790円
手数料を考慮せずに「60万円-50万円=10万円」と計算すると、税務上の譲渡益と一致しません。
上場株式の譲渡益にかかる税率
課税口座で生じた上場株式等の譲渡益には、原則として所得税、復興特別所得税、住民税を合わせて20.315%が課税されます。
ただし、NISA口座で購入した対象商品の譲渡益は非課税です。NISA口座では損失が生じても、課税口座の利益との損益通算や損失の繰越控除はできません。
売買手数料と確定申告
特定口座の年間取引報告書には手数料が反映される
特定口座では、証券会社が取得費や売却手数料などを計算し、特定口座年間取引報告書を作成します。
特定口座の「源泉徴収あり」を選択している場合、その口座内の譲渡益は原則として確定申告不要です。証券会社が利益を計算し、税金を源泉徴収します。
ただし、複数の証券会社で生じた利益と損失を通算する場合や、譲渡損失を翌年以後へ繰り越す場合などは、確定申告が必要です。
一般口座では自分で取得費を確認する
一般口座では、売却代金、購入代金、購入手数料、売却手数料などを自分で管理し、譲渡益を計算します。
取引報告書、取引残高報告書、証券会社の取引履歴などは保管しておきましょう。古い株式で取得価額が分からない場合は、別の計算方法が認められることがありますが、実際の取得費より税負担が大きくなる可能性があります。
インターネット売買手数料の勘定科目は何になる?
個人投資家は通常、勘定科目を決める必要がない
給与所得者などが個人の資産運用として株式を取引する場合、日常の経理処理で勘定科目を設定する必要は通常ありません。
確定申告が必要な場合は、購入手数料を取得費に含め、売却手数料を譲渡費用として譲渡所得を計算します。家計簿で管理する場合の分類名は任意ですが、税務計算とは分けて考える必要があります。
法人は購入手数料を取得価額に含めるのが原則
法人が事業資金で有価証券を購入した場合、株式などは保有目的や会計方針に応じて「有価証券」または「投資有価証券」などの勘定科目で処理します。
金融資産を取得するために直接必要となった購入手数料は、原則として取得した金融資産の取得価額に含めます。ただし、経常的に発生し、個々の金融資産との対応関係が明確でない費用については、取得価額へ含めない処理が認められる場合があります。
売却時の委託手数料は、売却損益の計算に反映させるほか、会計方針に応じて「支払手数料」などで処理する場合があります。
有価証券の保有目的、企業会計基準、税務上の区分によって処理が異なることがあるため、法人の具体的な仕訳は税理士や会計担当者へ確認してください。
インターネット売買手数料を安くするための比較ポイント
自分が取引する商品を基準にする
国内現物株の手数料が0円でも、米国株式、投資信託、信用取引などの条件は異なります。利用する予定がない商品の料金が安くても、実際の負担軽減にはつながりません。
まず、次のどの商品を取引するのかを整理しましょう。
- 国内株式の現物取引
- 国内株式の信用取引
- 単元未満株
- 米国株式などの外国株式
- ETFやREIT
- 投資信託
- NISA口座での取引
手数料以外のコストを含めて比較する
実質的な負担を比較する場合は、売買手数料だけでなく、次の費用も確認します。
- 信用取引の金利と貸株料
- 外国株式の為替手数料や為替スプレッド
- 単元未満株の価格スプレッド
- 投資信託の信託報酬
- 入出金手数料
- 他社への株式移管手数料
- 電話注文やオペレーター注文の料金
取引回数と約定金額を想定する
1回あたりの取引金額が小さい場合は、最低手数料の有無が重要です。取引金額が大きい場合は、手数料率と上限金額を確認します。
1日に何度も取引する場合は、1約定ごとの料金より、1日の合計約定代金で計算するプランの方が負担を抑えられる場合があります。
現在は国内株式の取引手数料を0円とするネット証券もありますが、利用条件を満たしていなければ有料プランが適用される可能性があります。
売買手数料についてよくある疑問
売買手数料無料の証券会社なら必ず最も安い?
必ずしもそうとは限りません。国内株式の売買手数料が0円でも、信用取引の金利、外国株式の為替コスト、単元未満株のスプレッドなどに差があります。
取引する商品と利用頻度を基準に、総費用で比較することが重要です。
株式を買うときと売るときの両方に手数料がかかる?
有料プランでは、原則として購入時と売却時の両方に手数料が発生します。手数料無料の条件を満たしている場合は、対象となる取引の購入時と売却時の手数料が0円になります。
売買手数料には消費税がかかる?
証券会社へ支払う売買委託手数料は消費税の課税対象です。証券会社の料金表では、税込金額で表示されているのが一般的です。
株式の購入手数料にかかる消費税は、所得税の譲渡益を計算する際、購入手数料とともに取得費へ含まれます。
NISAなら手数料もすべて無料?
NISAは対象商品の売却益や配当などを非課税にする制度であり、すべての取引手数料を法律によって無料にする制度ではありません。
実際の手数料は証券会社や商品によって異なります。国内株式の手数料が0円でも、投資信託の信託報酬や外国株式の為替コストなどは発生する場合があります。
まとめ|手数料0円の対象範囲と別途費用を確認しよう
インターネット売買手数料は、証券会社がオンライン注文を取り次ぐ際に発生する費用です。現在は、所定の条件を満たすことで国内株式の現物取引や信用取引の売買手数料を0円とするネット証券があります。
SBI証券では、インターネットコースでのインターネット取引や対象書面の電子交付設定などが主な条件です。楽天証券では、ゼロコースを選択し、SORとRクロスを含む利用へ同意する必要があります。
一方、売買手数料が無料でも、信用取引の金利・貸株料、外国株式の為替コスト、単元未満株のスプレッド、投資信託の信託報酬などは別に発生する可能性があります。
課税口座で株式を売却する場合、購入手数料は取得費に含まれ、売却手数料は売却代金から差し引いて譲渡益を計算します。特定口座では証券会社が計算しますが、一般口座では取引履歴を基に自分で計算する必要があります。
証券会社を選ぶときは、表示されている売買手数料だけではなく、利用条件、取引商品、金利、スプレッド、信託報酬などを含めた総費用を確認しましょう。
本記事は制度と手数料の一般的な情報を解説するものであり、特定の証券会社や金融商品の利用、売買を推奨するものではありません。料金や税制は変更される可能性があるため、実際の取引や申告では証券会社、税務署、税理士などへ最新情報を確認してください。
<参考サイト>国税庁 / 金融庁 / 日本証券業協会 / 企業会計基準委員会 / SBI証券 / 楽天証券

