相対取引とは、取引所の市場で不特定多数の注文を組み合わせるのではなく、売り手と買い手が当事者同士で価格や数量、決済条件などを合意する取引方法です。株式、FX、債券、デリバティブ、不動産、暗号資産など、さまざまな分野で使われています。ただし、相対取引の仕組みや価格の決まり方、税金、取引相手のリスクは対象によって異なります。本記事では、読み方と英語表記、OTCとの関係、取引所取引との違い、メリット・デメリット、株・FX・不動産・暗号資産の具体例、消費税の考え方まで、初心者にもわかりやすく解説します。

この記事の目次
- 相対取引の意味・読み方・英語表記
- 相対取引価格の決まり方
- 相対取引と取引所取引の違い
- 相対取引とOTCの関係
- メリットとデメリット
- 株式・FX・不動産・暗号資産の具体例
- 相対取引と消費税の考え方
- 相対取引を装う不公正取引への注意
相対取引とは?当事者同士で条件を決める取引
相対取引とは、金融商品取引所のような市場を介さず、売り手と買い手が直接または仲介者を通じて、価格、数量、決済日などの条件を合意する取引方法です。
相対取引では、必ずしも売り手と買い手が対面するわけではありません。電話、電子取引システム、金融機関の取引画面、仲介業者などを通じて交渉・契約する場合も、当事者間で条件が決まる仕組みであれば相対取引に該当することがあります。
相対取引の読み方
相対取引の読み方は、「あいたいとりひき」です。「そうたいとりひき」ではありません。
同様に、相対取引価格は「あいたいとりひきかかく」と読みます。ここで使われる「相対」には、当事者同士が向き合い、互いに合意するという意味があります。
相対取引の英語表記
相対取引は英語で、文脈に応じて次のように表現されます。
- bilateral transaction:二者間で行う取引
- bilateral trade:当事者間の売買取引
- negotiated transaction:交渉によって条件を決める取引
- over-the-counter transaction:取引所外で行う店頭取引
金融分野では、OTC取引または店頭取引という表現が広く使われています。OTCは「Over The Counter」の略です。
相対取引の対義語は何?
相対取引の反対に位置する代表的な取引方法は、取引所取引または市場取引です。「絶対取引」という言葉が対義語になるわけではありません。
取引所取引では、取引所が定めた規則に従い、多数の参加者から出された注文を市場内で成立させます。相対取引では、特定の相手との合意によって取引条件が決まります。
相対取引価格とは?売り手と買い手が合意した価格
相対取引価格とは、売り手と買い手が交渉し、合意した取引価格です。取引所で表示される単一の市場価格が、そのまま適用されるとは限りません。
ただし、相対取引だから自由に根拠のない価格を設定するという意味ではありません。実際には、市場価格や評価額などを参考にしながら、取引固有の条件を加味して決めることが一般的です。
相対取引価格を決める主な要素
- 取引所や他市場で成立している価格
- 金融機関や事業者が提示する買値・売値
- 取引する数量や金額
- 取引対象の流動性
- 決済日や受渡方法
- 取引相手の信用力
- 担保や保証の有無
- 売却を急ぐ必要があるか
- 仲介手数料や事務費用
- 個別契約に含まれる権利や制限
上場株式の大口取引では、市場へ大量の売り注文を出すと株価を押し下げる可能性があります。そのため、直近の市場価格などを参考にしつつ、数量や市場への影響を考慮して相対価格を交渉する場合があります。
相対取引価格に共通の計算式はない
相対取引価格には、すべての商品へ共通する一つの計算式はありません。対象が株式なのか、不動産なのか、通貨なのかによって、参考にする情報が異なるためです。
例えば、非上場株式では企業の利益、純資産、将来の収益、同業他社の評価などが参考になります。不動産では、近隣の成約事例、収益性、建物の状態、立地、権利関係などが考慮されます。店頭FXでは、業者が市場の為替レートなどを基に買値と売値を提示します。
次のページでは、相対取引と取引所取引、OTC取引の違いを比較し、どちらにどのような長所とリスクがあるのかを解説します。




