デイトレードは、株式などを買った当日中に売却し、翌日に持ち越さず損益を確定させる取引方法です。「少ない資金で始められるのか」「1日1万円を稼げるのか」「どの銘柄や証券会社を選べばよいのか」といった疑問を持つ方も多いでしょう。ただし、短時間で利益を狙える一方、判断の遅れや急な値動きによって損失が生じる可能性もあります。この記事では、初心者が最初に知っておきたい仕組み、手法、銘柄選定、必要資金、取引環境、税金、学習方法を、リスクも含めてわかりやすく解説します。

この記事の目次
- デイトレードの意味と基本的な仕組み
- 初心者向けの始め方と必要資金
- 代表的な手法と銘柄選定の基準
- 証券会社・手数料・アプリ・パソコンの選び方
- 勝てないときに見直すポイント
- 税金、NISA、取引上の注意点
- 本・ブログ・専門学校を利用した学習方法
デイトレードとは?当日中に売買を完結させる短期取引
デイトレードとは、同じ銘柄を買った日のうちに売却したり、信用取引で売った銘柄を当日中に買い戻したりする取引です。「日計り取引」や「日計り商い」と呼ばれることもあります。
日本取引所グループは、1日の取引時間中に何度も売買を繰り返し、短期的な利益を得ることを目的とする投資家を「デイ・トレーダー」と説明しています。数日から数週間保有するスイングトレードや、数年以上保有する長期投資とは、保有期間や判断基準が異なります。
東京証券取引所の取引時間
東京証券取引所の内国株式は、原則として平日の午前9時から11時30分までの前場と、午後12時30分から15時30分までの後場に取引されます。土日、祝日、取引所が定める休業日には取引できません。
デイトレードでは、開始直後、昼休み明け、取引終了前など、時間帯によって値動きや売買の活発さが変わる場合があります。ただし、「この時間なら必ず上がる」といった法則はありません。時間帯だけで売買せず、出来高、注文状況、ニュース、相場全体の方向を確認する必要があります。
現物取引と信用取引の違い
現物取引は、口座にある資金の範囲内で株式を購入する取引です。預けた資金を超えて取引しないため、初心者はまず現物取引から仕組みを学ぶ方法があります。
信用取引は、証券会社に保証金を差し入れ、資金や株式を借りて売買する取引です。手元資金を超える金額を取引でき、株価下落を見込んだ売りから始めることもできますが、損失が預けた保証金を上回る可能性があります。保証金が証券会社の基準を下回ると、追加保証金の差し入れや建玉の決済が必要になる場合もあります。
また、現物取引では、同じ資金を使って同一銘柄を何度も売買しようとすると、差金決済に該当しないよう注文が制限されることがあります。買付余力の計算方法や制限は証券会社の取引ルールで確認してください。
初心者向けデイトレードのやり方
デイトレードは、証券口座を開設して株を買うだけでは安定した管理ができません。売買を始める前に、取引対象、エントリー条件、損切り条件、利益確定条件、1日の損失上限を文章や数値で決めておくことが重要です。
基本的な流れ
- 取引前:決算発表、適時開示、経済指標、前日の海外市場などを確認する
- 候補選定:売買代金、出来高、値動き、売買価格の差を確認する
- 取引計画:買う価格、売る価格、損切り価格を先に決める
- 注文:指値注文や成行注文の特徴を理解して発注する
- 記録:売買理由、損益、手数料、反省点を取引日誌に残す
指値注文は価格を指定できますが、希望価格に届かなければ約定しません。成行注文は約定を優先する注文ですが、急激な値動きや注文の少ない銘柄では、想定より不利な価格で成立する可能性があります。
最初から大きな金額を使わない
東証の内国株式は100株単位で取引されます。例えば、株価1,000円の銘柄を100株買う場合、手数料等を除く購入代金は10万円です。株価3,000円なら30万円が必要になります。
ただし、口座資金の全額を1回の取引に投入するのは危険です。損失に耐えられる余裕資金、次の取引に使う資金、急な価格変動に備える資金を残しておく必要があります。生活費、住宅費、教育費、納税資金、近いうちに使用する予定のお金は、デイトレード資金と分けて管理しましょう。
「デイトレードで1日1万円」は保証できる目標ではない
100株を保有し、株価が買値から100円上昇したところで売却できれば、税金や手数料等を考慮する前の利益は1万円です。反対に100円下落すれば、同じく1万円の損失になります。株数を増やせば小さな値幅でも1万円に届きますが、損失の拡大速度も同じように上がります。
市場は毎日異なるため、「必ず1日1万円」「初心者でも毎日稼げる」と断定できる手法はありません。利益が出ない日や、取引条件を満たす銘柄がない日には、取引を見送る判断も必要です。金額目標を達成するために無理な売買を繰り返すと、根拠の薄いエントリーや損切りの先延ばしにつながります。
次ページでは、デイトレードの代表的な手法、銘柄選定の具体的な基準、損失を管理するための計算方法を解説します。
同じ手法でも、銘柄の流動性や損切り位置を誤ると結果は大きく変わります。失敗を減らす考え方は次のページへ。




