指値より安く買えたのはなぜ?約定価格の仕組み
買い指値は「その価格までなら払う」という上限
1,000円の買い指値は、「1,000円ちょうどで買う」という意味ではなく、1,000円以下であれば買うという注文です。たとえば、注文を市場へ出した時点で998円の売り注文が残っていれば、998円で約定する可能性があります。これが「指値より安く買えた」主な理由です。
反対に、1,000円の売り指値は「1,000円以上なら売る」という条件です。1,003円で買いたい注文があれば、1,003円で約定する可能性があります。指値は不利な価格を避けるための境界であり、有利な価格での成立を妨げるものではありません。
指値注文が約定しなかったらどうなる?
有効期限までは注文が残り、期限後は失効する
指値注文が条件に合わなかった場合、通常は設定した有効期限まで未約定注文として残ります。有効期限には「当日中」「今週中」「期間指定」などがありますが、選べる期間や最長日数は証券会社、商品、取引所、注文条件によって異なります。期限までに成立しなければ、未約定分は失効し、改めて売買したい場合は再注文が必要です。
注文が未約定の間は、買付資金や売却予定株数が拘束されることがあります。取消や価格訂正ができる時間帯、訂正できる項目、失効後に拘束が解除される時刻も証券会社ごとに異なるため、注文照会画面と取引ルールを確認してください。
株価が指値に到達したのに約定しない主な理由
- 先に同じ価格の注文が並んでいた:同一価格では、原則として先に出された注文が優先されます。
- 売買数量が足りなかった:指定価格で成立した数量が少なく、自分の順番まで回らないことがあります。
- 一瞬だけ価格が付いた:表示された約定価格と、自分の注文が取引所で受け付けられたタイミングが前後している場合があります。
- 一部だけ約定した:注文数量の一部だけ成立し、残りが未約定になることがあります。
- 注文条件が限定されていた:寄指や引指など、執行する時間を限定した注文は、その機会に条件が合わなければ失効します。
東京証券取引所の継続売買では、売り注文は低い価格が優先され、買い注文は高い価格が優先されます。同じ価格なら原則として早く出された注文が優先されます。これを価格優先・時間優先の原則といいます。
指値と逆指値の違い
通常の指値は「安く買う・高く売る」条件
通常の指値は、現在値より安い価格で買いたい場合や、現在値より高い価格で売りたい場合などに利用されます。買いでは上限価格、売りでは下限価格を決める注文です。
逆指値は一定価格に到達したら注文を作動させる
逆指値注文は、一般に「株価が指定価格以上になったら買う」「株価が指定価格以下になったら売る」という条件を付ける注文です。通常の指値と方向が逆になるため、逆指値と呼ばれます。
重要なのは、逆指値の指定価格がそのまま約定価格を保証するわけではない点です。条件に到達した後、成行注文へ切り替える設定なら、急変時に指定価格から離れて約定する可能性があります。指値注文へ切り替える設定なら価格範囲は管理できますが、相場が一気に通過すると約定しない可能性があります。
日本取引所グループ(JPX)の用語集では、逆指値は東証の取引所機能ではなく、各証券会社が提供するサービスと説明されています。利用可否、監視する価格、発動後に選べる注文方法、有効期限などは証券会社ごとに違うため、事前確認が必要です。
指値と逆指値の違いを一言で整理
- 指値:買いは指定価格以下、売りは指定価格以上で執行を目指す
- 逆指値:指定した価格条件に到達したら、あらかじめ設定した注文を作動させる
次は、注文画面で迷いやすい「寄指・引指・不成」の意味と、初心者が指値注文を出す具体的な手順を解説します。
執行条件を一つ間違えるだけで、思った時間に注文が働かないことがあります。最後に確認すべきポイントへ進みます。


