スイングトレードのやり方|初心者が守りたい基本手順
スイングトレードのやり方は、単に上がりそうな株を買うことではありません。売買する前に「どの条件で買い、どの条件で撤退するか」を決め、想定外の損失を防ぐ仕組みを作ることが重要です。
手順1:生活資金と投資資金を分ける
家賃、食費、教育費、税金、緊急時のための資金を取引に回すと、冷静な判断が難しくなります。近いうちに使う予定のあるお金や、失うと生活に支障が出るお金は、短期売買へ投入しないことが基本です。
さらに、投資資金の全額を一度に1銘柄へ集中させると、その銘柄固有の悪材料による影響を強く受けます。複数銘柄に分ける場合でも、同じ業種ばかりに偏ると、実質的なリスク分散にならないことがあります。
手順2:エントリー前に3つの価格を決める
注文を出す前に、少なくとも次の3点を記録します。
- 買う価格:どの条件が成立したらエントリーするか
- 利確価格:想定どおり上昇した場合、どこで利益を確定するか
- 損切り価格:想定が崩れたと判断し、どこで撤退するか
「買ってから考える」と、含み損が出た際に判断を先送りしやすくなります。買う理由だけでなく、買わない条件と売る条件まで決めておくことが大切です。
手順3:許容損失から購入数量を計算する
購入数量は、期待できる利益ではなく、損切りになった場合の損失額から逆算します。基本的な考え方は次のとおりです。
購入可能数量 = 1回の取引で許容できる損失額 ÷ 1株当たりの想定損失額
1株当たりの想定損失額は、買値と損切り価格の差だけでなく、手数料や価格のずれも考慮します。実際の注文では、対象商品の売買単位に合わせて数量を切り下げます。
1回の取引で許容する損失割合に万人共通の正解はありません。年齢、収入、保有資産、投資経験、目的によって許容できる範囲は異なるため、他人の割合をそのまま採用しないようにしましょう。
スイングトレードのおすすめ銘柄は固定名では選べない
「スイングトレードにおすすめの銘柄」を固定的な一覧で示すことは適切ではありません。株価、出来高、決算予定、市場環境、信用取引規制などは日々変化するため、以前は取引しやすかった銘柄でも、現在は状況が異なる可能性があります。
特定の企業名を追いかけるより、次のような条件を確認するほうが再現性のある銘柄選びにつながります。
売買が活発で流動性があるか
出来高や売買代金が極端に少ない銘柄では、買いたい価格や売りたい価格に十分な注文がないことがあります。その結果、注文が成立しなかったり、想定より不利な価格で成立したりする可能性があります。
株価だけでなく、板情報、出来高、売買代金、売値と買値の差も確認しましょう。ただし、過去に売買が活発だったからといって、今後も同じ状態が続くとは限りません。
値動きが自分の資金管理に合っているか
値動きが小さすぎる銘柄では目標とする値幅を得にくい一方、値動きが激しすぎる銘柄では損失も急拡大します。「大きく動く銘柄ほど優れている」という考え方は危険です。
過去の値幅を確認し、現実的な損切り位置を設定したときに、購入数量が資金計画の範囲へ収まるかを判断します。少しの下落で許容損失を超えてしまう場合は、その銘柄を見送ることも選択肢です。
決算発表などの予定を確認する
決算発表、業績予想の修正、株主還元方針の変更などは、株価が大きく動く要因になり得ます。決算をまたいで保有する方法が一律に誤りというわけではありませんが、通常時より価格が急変する可能性を考える必要があります。
決算発表予定日は変更される場合もあるため、証券会社の画面だけでなく、企業の公式IR情報も確認しましょう。
スイングトレードのチャートの見方
チャートは過去の価格や出来高を整理したものであり、将来の株価を確実に予測する道具ではありません。複数の指標を増やしすぎるより、最初は価格、出来高、トレンドの3点を丁寧に確認するほうが理解しやすくなります。
ローソク足で始値・高値・安値・終値を確認する
ローソク足は、一定期間の始値、高値、安値、終値を表します。日足チャートであれば1本が1営業日の値動きです。陽線と陰線の色はチャートサービスによって異なる場合があるため、画面の設定を確認してください。
ローソク足1本だけで売買を判断するのではなく、直近の高値と安値が切り上がっているか、一定の価格帯で何度も反発・反落しているかなど、連続した動きを見ます。
移動平均線は方向と位置関係を見る
移動平均線は、一定期間の終値などを平均して線で結んだものです。線が上向きか下向きか、株価が線より上にあるか下にあるかを確認すると、現在の方向性を整理しやすくなります。
ただし、移動平均線は過去の価格をもとに計算されるため、急変を事前に知らせるとは限りません。特定の交差が起きれば必ず上昇・下落するというものでもありません。
出来高を伴っているかを見る
出来高は、その期間に成立した売買数量を示します。価格が節目を突破したように見えても、出来高が少なければ、その動きが継続するとは限りません。一方、出来高が急増した場合も、買いだけでなく売りが活発になっている可能性があります。
出来高単独で方向を決めつけず、価格の位置、企業情報、市場全体の動きと組み合わせて判断します。
利確と損切りはセットで決める
利確は「もっと上がるかも」だけで延期しない
目標価格へ到達した後も根拠なく保有を続けると、含み益が減少したり、損失へ転じたりすることがあります。利確条件には、目標価格への到達、直近安値の割り込み、トレンドの変化、保有期限の到来などを利用できます。
利益を複数回に分けて確定する方法もありますが、売買回数が増えるとコストや管理負担も増えます。自分が継続して実行できる方法を選びましょう。
損切りは「耐えられる金額」ではなく根拠が崩れる位置で考える
損切り価格は、単に精神的に耐えられる金額ではなく、買った理由が成り立たなくなる位置を基準に考えます。その損切り幅で損失が大きくなりすぎる場合は、損切り位置を無理に近づけるのではなく、購入数量を減らすか、取引自体を見送ります。
逆指値などの条件注文は証券会社によって仕組みが異なります。条件へ到達した後に成行注文として発注されるのか、指値注文として発注されるのかを確認してください。急落時には、指定した水準どおりに売却できないことがあります。
利確と損切りのルールを作っても、記録と検証をしなければ改善点は見つかりません。次のページでは、失敗パターン、スイングトレード日記、本やブログの選び方を解説します。




