復配はいつ発表される?決算発表と同時とは限らない
復配の発表時期に決まったルールはありません。
代表的には次のタイミングがあります。
- 本決算発表時
- 第1四半期・中間・第3四半期決算時
- 業績予想の上方修正時
- 配当予想だけを変更するとき
- 中期経営計画発表時
東京証券取引所の適時開示ルールでは、剰余金の配当や配当予想・配当予想の修正などは投資判断に重要な会社情報として開示対象になります。
また、企業は「市場が閉まるまで待つ」のではなく、重要情報が決定した場合には立会時間中かどうかを問わず速やかに開示することが求められています。
実際には15時30分以降の発表も多い
東京証券取引所の現物株式取引は、2026年現在、前場9時~11時30分、後場12時30分~15時30分です。
JPXがまとめた2026年3月期の決算発表状況では、15時30分~17時59分に決算を発表した会社が全体の63.6%を占めました。
そのため、復配を含む配当情報が東証の取引終了後に公表されるケースも珍しくありません。
復配発表後のPTSはどうなる?
15時30分以降に復配が発表されると、対応する銘柄は夜間PTSで価格が動く場合があります。
例えば楽天証券などでは、対応するPTSについて17時~23時59分の夜間取引が提供されています。利用時間や対象市場は証券会社によって異なります。
復配が市場予想を上回る好材料と受け止められればPTSで上昇する場合があり、逆に期待以下なら下落することもあります。
ただし夜間PTSは東証に比べて出来高が少ない銘柄もあります。
PTSで10%上がったから、翌日の東証も10%高で始まるとは限りません。翌朝までに海外市場、為替、企業の追加情報などが変化するためです。
篠崎屋は15時30分に復配を発表
篠崎屋は2026年6月30日15時30分に、2026年9月期の配当予想について9期ぶりとなる復配を発表しました。
このように東証終了時刻付近に配当修正が開示された場合、通常の東証取引では翌営業日まで売買できませんが、PTS対応銘柄なら夜間に取引が成立する可能性があります。
復配発表日と権利確定日は別|発表後に買っても間に合わない場合がある
復配を見るときに特に注意したいポイントです。
「復配を発表した日」と「配当を受け取る株主を決める日」は同じとは限りません。
例えば大幸薬品は2026年2月13日に2025年12月期の復配を発表しましたが、配当の基準日は2025年12月31日でした。
つまり、復配発表を見た2026年2月13日以降に株を購入しても、その2025年12月期の3円30銭の配当を受け取る権利はありません。
すでに基準日が過ぎているからです。
一方、ひらまつのように2026年5月に翌2027年3月期の復配予想を発表するケースでは、基準日よりかなり前に情報が公表されます。
復配の権利確定日はいつ?
配当の権利確定日は企業ごとに異なります。
3月決算企業では3月31日を期末配当基準日とする会社が多くありますが、12月決算なら12月31日、9月決算なら9月末など、すべての企業が3月31日ではありません。
配当を受け取るためには、原則として権利確定日の2営業日前となる「権利付最終売買日」までに株を購入し、その日をまたいで保有する必要があります。
| 日 | 意味 |
|---|---|
| 権利付最終日 | 配当権利を得るために買える最後の取引日 |
| 権利落ち日 | この日から買っても今回の配当は受け取れない |
| 権利確定日・基準日 | 会社が配当対象株主を確定する基準日 |
各社の実際の日程は、企業IRや証券会社の権利情報で確認してください。
権利付最終日の夜間PTSで買っても今回の配当はもらえない
ここも間違いやすいポイントです。
権利付最終日の東証取引終了後、夜間PTSで購入する取引は受渡日の関係で次の営業日扱いとなります。
そのため、権利付最終日の夜間PTSで初めて買っても、その回の配当権利は取得できません。
PTSを利用する場合は、「カレンダー上の日付がまだ同じだから大丈夫」と考えないようにしてください。
復配銘柄の配当利回りはどう計算する?
配当利回りの基本的な計算式は次のとおりです。
予想配当利回り=1株当たり年間予想配当金÷現在の株価×100
例えば復配によって年間10円の配当が予想され、株価が500円の場合、
10円÷500円×100=2%
です。
株価が変われば配当利回りも変わる
同じ10円配当でも、
| 株価 | 年間配当 | 予想配当利回り |
|---|---|---|
| 400円 | 10円 | 2.50% |
| 500円 | 10円 | 2.00% |
| 1,000円 | 10円 | 1.00% |
となります。
復配発表によって株価が上昇すると、配当額が変わらなくても予想配当利回りは低下します。
特別配当を通常配当と混同しない
篠崎屋の2026年9月期予想は、2026年8月14日時点で普通配当3円と特別配当1円を合わせた4円です。
現在の予想配当利回りを計算するときには4円を利用できますが、特別配当1円が翌年以降も続くとは限りません。
長期的な配当収入を考える場合は、普通配当と記念配当・特別配当を分けて確認しましょう。
復配銘柄はどう探す?「配当開始」だけでは不十分
復配銘柄を見つける場合、TDnetの配当予想修正、決算短信、証券会社のスクリーナー、各企業のIR情報などが利用できます。
ただし、復配した事実だけで投資価値を判断せず、少なくとも次の項目を確認しましょう。
1.本業で利益が出ているか
不動産売却など一時的な特別利益だけで黒字になり、その資金で一度だけ復配するケースと、本業の営業利益が継続的に改善しているケースでは意味が異なります。
2.営業キャッシュフローはプラスか
会計上の利益だけでなく、本業から実際に現金を生み出せているかを確認します。
3.復配後も配当を続けられそうか
翌年度の業績予想、会社の配当方針、配当性向などを確認します。
4.負債が多すぎないか
復配していても、多額の借入金を抱えている企業では、利払い・返済を優先して将来再び無配になる可能性があります。
5.すでに株価へ織り込まれていないか
業績回復が何四半期も続き、市場で「近いうちに復配する」と予想されていた場合、発表前から株価が上昇していることがあります。
復配は「業績回復の証拠」と考えていい?
復配理由として業績回復が挙げられることは多くあります。
実際、大幸薬品は収益力と財務基盤の強化、篠崎屋は業績回復見通し、ぴあはコロナ禍からの事業回復と累積損失の解消を復配の背景として説明しています。
一方で、復配したから将来も業績が良いことが確定したわけではありません。
復配発表時点では会社が将来も一定の利益を確保できると判断していても、景気悪化、原材料価格上昇、為替変動、大口顧客の減少などによって利益が再び悪化する可能性があります。
「そろそろ復配するのでは」という期待と、会社が正式に復配を決定した事実は別物です。最後のページでは、注目度の高い各社について2026年9月1日時点の公式発表だけをもとに現状を整理します。




