逆日歩とは?計算方法・発生条件・最高料率・銘柄一覧の確認方法を徹底解説
逆日歩とは、制度信用取引で空売りに必要な株式が不足したとき、売り方が追加で負担する可能性がある費用です。読み方は「ぎゃくひぶ」で、正式には品貸料と呼ばれます。貸株料とは別に発生し、金額は売建時点では確定しません。株主優待を目的とするクロス取引では、優待価値を上回る逆日歩が付くこともあるため注意が必要です。本記事では、逆日歩の仕組み、計算方法、発生条件、最高料率、「満額」の正しい意味、速報や銘柄一覧の確認方法、6月優待銘柄や株価への影響まで、初心者向けにわかりやすく解説します。

この記事の目次
- 逆日歩の意味と読み方
- 逆日歩が発生する条件
- 逆日歩の計算方法
- 最高料率と「満額」の意味
- 逆日歩銘柄一覧と速報の確認方法
- 6月・すかいらーく・マクドナルドの注意点
- 逆日歩が株価へ与える影響
- クロス取引で逆日歩を回避する方法
逆日歩とは?株不足時に発生する追加の株券調達費用
逆日歩とは、制度信用取引の売建需要が増え、証券金融会社で貸し出す株式が不足した際に発生する追加費用です。正式名称は品貸料です。
制度信用取引で投資家が空売りすると、証券会社は売却に必要な株式を投資家へ貸します。証券会社だけで株式を用意できない場合は、日本証券金融などの証券金融会社から株式を借ります。
証券金融会社では、制度信用の買いに伴って受け入れた株式を、売り方へ貸し出します。しかし、貸株残高が融資残高を上回ると、貸し出す株式が不足します。この状態が貸株超過です。
株不足が発生すると、証券金融会社は証券会社や機関投資家などから入札によって株式を調達します。その際に決定した借り賃が逆日歩です。
逆日歩の読み方
逆日歩は「ぎゃくひぶ」と読みます。「ぎゃくにっぽ」や「ぎゃくびぶ」ではありません。
証券会社の画面や取引所の資料では、次の名称で表示されることがあります。
逆日歩を支払う人と受け取る人
品貸料が決定した銘柄では、その銘柄を制度信用取引で売り建てているすべての売り方が、原則として逆日歩を支払います。
一方、制度信用の買い方は、逆日歩を受け取る場合があります。
| 取引区分 |
逆日歩の扱い |
| 制度信用売り |
発生した逆日歩を支払う |
| 制度信用買い |
発生した逆日歩を受け取る場合がある |
| 一般信用売り |
制度信用の逆日歩は発生しない |
| 現物取引 |
逆日歩の支払い・受取りはない |
制度信用の売り方が利用する証券会社で株式を十分に確保できていても、対象銘柄に逆日歩が決定すれば、原則として制度信用売り全体へ同じ品貸料率が適用されます。
逆日歩と貸株料の違い
信用売りでは、通常の貸株料と逆日歩が別々に発生する可能性があります。
| 費用 |
発生の仕組み |
事前確認 |
| 貸株料 |
証券会社から株式を借りる基本料金 |
年率を事前に確認できる |
| 逆日歩 |
制度信用で株不足時に発生する追加調達費用 |
売建時点では金額が確定しない |
| 特別貸株料 |
一般信用売りで銘柄ごとに加算される場合がある費用 |
証券会社の画面で確認する |
制度信用売りでは、売買手数料が無料でも、貸株料、逆日歩、配当調整金などが発生することがあります。
一般信用売りには制度信用の逆日歩はありませんが、貸株料が制度信用より高い場合や、銘柄別の特別貸株料がかかる場合があります。
逆日歩が発生する条件
信用売りが増えただけで、必ず逆日歩が発生するわけではありません。一般的には、次の流れで発生します。
- 制度信用取引で売建注文が増える
- 証券金融会社の貸株残高が融資残高を上回る
- 翌朝の追加申込みでも株不足が解消しない
- 証券金融会社が品貸入札を行う
- 入札によって株式を有料で調達する
- 決定した品貸料が制度信用取引へ適用される
逆日歩が発生しやすい場面
- 株主優待の権利付き最終日が近い
- 高額な配当の権利日が近い
- 株価下落を予想する信用売りが急増した
- 市場で流通する株式数が少ない
- 貸借銘柄へ新たに選定され、売建需要が集中した
- 株価が急騰し、空売りが増えた
- 証券金融会社が注意喚起や申込停止措置を行った
株主優待銘柄では、株価変動を抑えながら優待権利を取得するクロス取引のために、信用売りが集中する場合があります。
特に権利付き最終日は、株主としての名義を確保したい株式保有者が品貸入札への応募を控えることがあり、株式を調達しにくくなる傾向があります。
貸株超過でも逆日歩が付かない場合がある
当日の貸借取引残高が貸株超過でも、翌朝に融資の追加申込みが行われ、株不足が解消する場合があります。
また、外部から株式を借りる場合でも、0円で必要株数を調達できれば、品貸料率は0.00円となります。
そのため、「貸株超過株数が大きいから高額な逆日歩が確定する」とは判断できません。
逆日歩の計算方法
逆日歩は、1株当たりの品貸料率、売建株数、品貸日数を使って計算します。
逆日歩の支払額=1株当たりの品貸料×売建株数×品貸日数
1株当たり2円・100株・1日の例
1株当たり2円の逆日歩が付き、100株を売り建て、品貸日数が1日だった場合は次のとおりです。
2円×100株×1日=200円
1株当たり5円・1,000株・3日の例
1株当たり5円、売建株数1,000株、品貸日数3日なら、支払額は1万5,000円です。
5円×1,000株×3日=15,000円
株主優待が5,000円相当でも、逆日歩だけで1万5,000円を支払えば、貸株料や手数料を含める前から費用が優待価値を上回ります。
表示された品貸料率に日数が含まれる場合がある
日本証券金融が公表する当日品貸料率は、入札で決まった1日当たりの品貸料に品貸日数を掛けた数字として表示されます。
したがって、公式の「当日品貸料率」がすでに3日分を含む数字である場合、さらに自分で3倍すると二重計算になります。
証券会社や情報サイトによって表示方法が異なる可能性があるため、次の項目を確認してください。
- 1日当たりの料率か
- 品貸日数を含んだ当日品貸料率か
- 1株当たりか、100株当たりか
- 円表示か、銭表示か
品貸日数が1日より多くなる理由
品貸日数は通常1日ですが、株式の借入日の翌日が土日祝日などの場合、返済日が繰り延べられ、複数日になります。
水曜日の取引で品貸日数が3日になることがあるのは、受渡しの仕組みにより週末をまたぐためです。ただし、祝日や受渡日程によって該当する曜日は変わります。
大型連休、年末年始、権利付き最終日付近では、品貸日数が長くなる場合があります。1日当たりの逆日歩が低くても、日数の増加によって負担額が大きくなります。
逆日歩の最高料率とは?
最高料率とは、品貸入札で受け付ける1株当たりの料率の上限です。
最高料率は、原則として貸借値段と売買単位から算出される投資単位に応じて決まります。株式とETFなどでは、最高料率の基準が異なります。
重要なのは、最高料率は実際に支払う逆日歩の予告額ではないという点です。
最高料率が6円でも、0.05円で株式を十分に調達できれば、実際の逆日歩は0.05円です。反対に、入札が上限まで達すれば、最高料率で決定する場合があります。
最高料率が引き上げられる場合
通常の最高料率には、状況に応じて倍率が適用されます。
| 主な状況 |
最高料率の主な倍率 |
| 権利落日の6営業日前から2営業日前 |
通常の2倍 |
| 権利落日の前営業日 |
通常の4倍 |
| 注意喚起銘柄 |
通常の2倍 |
| 申込制限・申込停止銘柄 |
通常の2倍 |
| 権利落日前日かつ注意喚起・停止対象 |
通常の8倍となる場合がある |
| 異常な株不足に対する臨時措置 |
通常の4倍または10倍となる場合がある |
倍率が2倍になったから、実際の逆日歩も必ず2倍になるわけではありません。引き上げられるのは入札上限であり、実際の品貸料は入札結果で決まります。
「逆日歩が満額」とは?最高料率とは正反対の意味
日証金の品貸料率一覧に表示される「満額」は、「最高額の逆日歩が付いた」という意味ではありません。
満額とは、翌朝に融資の追加申込みを受け付けたことで貸株超過が解消し、品貸入札を行う必要がなくなった状態です。
満額と表示された日の逆日歩は発生しません。
| 表示 |
意味 |
| 満額・***** |
追加の融資申込みで株不足が解消し、逆日歩なし |
| 0.00円 |
0円の品貸し申込みで株式を調達できた |
| 最高料率と同額 |
入札上限の品貸料で逆日歩が決定した |
「満額逆日歩」という表現で最高料率の逆日歩を指す投稿が見られることがありますが、日証金の公式データにおける「満額」とは意味が異なります。
逆日歩は売建時点では確定せず、「満額」の意味も一般的な印象とは正反対です。次のページでは、銘柄一覧・速報・6月優待銘柄の確認方法を解説します。