IPO投資とは?初心者向けのやり方・当選確率・NISA・証券会社選びを完全解説

IPO投資のやり方|初心者向け7ステップ

ステップ1:IPOを取り扱う証券会社に口座を開設する

IPO株は、どの証券会社でも申し込めるわけではありません。上場を支援する主幹事証券会社や、株式の引受け・委託販売を行う証券会社から申し込みます。

証券会社ごとに取扱銘柄が異なるため、IPOへの参加機会を増やす目的で複数の口座を使い分ける方法があります。ただし、口座管理や資金移動の手間も増えるため、無理のない範囲にとどめましょう。

ステップ2:IPOスケジュールを確認する

上場が承認されると、上場予定日、仮条件決定日、ブックビルディング期間、公開価格決定日、購入申込期間などが公表されます。

IPO投資では、上場日だけを確認しても間に合いません。特に重要なのは、次の4つの日程です。

  • ブックビルディング期間:購入希望価格や株数を申告する期間
  • 公開価格決定日:実際の購入価格が決まる日
  • 購入申込期間:当選後に購入意思を示す期間
  • 上場日:市場での売買が始まる日

期間や締切時刻は銘柄と証券会社によって異なります。IPO投資ナビなどの一覧サービスは予定管理に便利ですが、最終確認は取引所と証券会社の公式画面で行ってください。

ステップ3:目論見書を確認する

目論見書には、企業の事業内容、業績、財務状況、想定されるリスク、公募・売出しの内訳、調達資金の使い道などが記載されています。

最低限、次の項目を確認しましょう。

  • 売上高や利益の推移
  • 赤字の場合は赤字の理由と今後の計画
  • 主要取引先への依存度
  • 公募株と売出株の割合
  • 大株主やベンチャーキャピタルの保有状況
  • ロックアップの期間と解除条件
  • 公開価格の割高・割安を考えるための同業他社比較
  • 新株発行で得た資金の用途

売出株が多いことだけで企業の良し悪しを決めることはできません。ただし、企業に入る資金と既存株主が受け取る資金の割合を区別して確認することは大切です。

ステップ4:ブックビルディングに申し込む

ブックビルディングとは、投資家から希望価格と希望株数を集め、需要を確認する手続きです。申込価格が最終的な公開価格を下回った場合、抽選対象外になる証券会社があります。

「成行」や「ストライクプライス」などの選択肢が用意されていることもありますが、名称や取扱いは証券会社ごとに異なります。注文画面の説明を必ず確認してください。

ステップ5:抽選結果を確認する

抽選結果には、当選、補欠当選、落選などがあります。補欠当選は購入が確定した状態ではなく、当選者の辞退などがあった場合に繰り上がる可能性がある状態です。

結果の公表時刻や補欠当選の処理は証券会社によって異なります。メール通知だけに頼らず、取引画面でも確認しましょう。

ステップ6:購入申込みを完了する

当選後、自動的に購入が完了するとは限りません。指定期間内に購入意思表示を行わなければ、当選が失効する証券会社があります。

購入資金を用意するタイミングも証券会社ごとに異なります。ブックビルディング前、抽選時、当選後、購入申込期限までなど、複数の方式があります。

ステップ7:上場後に保有または売却する

上場後は、初値付近で売却する方法と、中長期で保有する方法があります。初値売却は必ず利益になる手法ではなく、市場環境が悪化すれば公募割れする可能性があります。

売却注文を出せる時刻や注文方法は証券会社によって異なるため、上場日の前営業日までに確認しておくと安心です。

IPO投資におすすめの証券会社は?ランキングより抽選ルールを比較

すべての利用者に共通する「最もおすすめの証券会社」はありません。取扱銘柄、主幹事実績、抽選方式、必要資金、NISA対応、購入期限などを比較して選びます。

証券会社 IPO抽選の主な特徴 確認したいポイント
楽天証券 取引実績や預かり資産にかかわらず抽選を実施。申込単位ごとに抽選権が付与される方式 公開価格決定日の所定時刻までに必要資金を準備する
SBI証券 通常抽選に加え、IPOチャレンジポイントを使った配分制度がある 抽選時の買付余力とポイント利用時のルールを確認する
マネックス証券 取引実績や預かり資産に左右されない抽選方式を案内している 銘柄ごとの取扱いとNISAでの申込条件を確認する
松井証券 配分予定数量の70%以上を完全平等抽選とし、抽選時の事前入金を不要としている 当選後の入金期限と購入辞退時の取扱いを確認する
SMBC日興証券 同一条件・同一確率の抽選と、条件に応じて票数が変わるステージ別抽選がある 取引コースとステージ判定条件を確認する

抽選制度や入金期限は変更されることがあります。上記の特徴だけで判断せず、実際に申し込む銘柄の取引画面と最新規定を確認してください。

IPOの当選確率は何%?一律の数字は存在しない

IPOの当選確率は、銘柄ごとの公開株数、証券会社への配分数、有効申込数、抽選方式によって変わります。そのため、「IPOの当選確率は常に○%」と示すことはできません。

同一確率で1人につき1票を付与する方式であれば、おおまかな考え方は次のとおりです。

概算の当選確率=抽選に回る単元数÷有効な申込人数

申込単元ごとに抽選権が付く方式では、申込株数によって抽選口数が変わります。ポイント配分、ステージ制、裁量配分が含まれる場合は、単純な割り算では算出できません。

当選機会を増やすためにできること

  • 取扱証券会社を確認し、無理のない範囲で複数社から申し込む
  • 目論見書で各証券会社への引受数量を確認する
  • 主幹事証券会社の取扱いを優先的に確認する
  • 申込価格、必要資金、抽選日時を間違えない
  • ポイント制度やステージ制の条件を理解する
  • 購入申込期限をカレンダーに記録する

複数の証券会社から申し込んでも、当選は保証されません。また、本人以外の名義を利用した申込みや、実態のない口座による申込みは行ってはいけません。

公募割れが起こる主な要因

公募割れとは、初値が公開価格を下回ることです。次の要素が重なると、公募割れへの警戒が強まる場合があります。

  • 株式市場全体が急落している
  • 公開規模が大きく、買い需要とのバランスが弱い
  • 公開価格に割高感がある
  • 既存株主による売出しの割合が大きい
  • 業績の成長性や収益性に不透明な点がある
  • 同じ時期に複数のIPOが集中している
  • 特定の取引先や事業へ強く依存している

反対に、小型案件や話題性の高い事業であっても初値上昇が保証されるわけではありません。銘柄評価サイトの「S・A・B」などの評価は、各運営者による見解であり、取引所が公表した公式格付けではありません。

NISAを使えばIPO投資が必ず有利になるわけではありません。公募割れしたときに見落としやすい税制上の注意点は次のページで解説します。