年間投資枠とは?NISAの上限・復活・持ち越し・使い切り方をわかりやすく解説

使わなかった年間投資枠は翌年へ持ち越せない

年間投資枠に未使用分が残っても、翌年以降へ持ち越すことはできません。

例えば、成長投資枠の年間上限240万円のうち、2026年に200万円を使った場合、40万円が未使用となります。しかし、翌年の成長投資枠が280万円になるわけではありません。2027年の上限も通常どおり240万円です。

つみたて投資枠についても同様です。年間120万円のうち60万円しか使わなかった場合でも、残り60万円を翌年分へ加えることはできません。

年間投資枠は毎年リセットされる

未使用分を持ち越すことはできませんが、翌年になると新しい年間投資枠が設定されます。

  • つみたて投資枠:毎年最大120万円
  • 成長投資枠:毎年最大240万円
  • 併用した場合:毎年最大360万円

ただし、生涯を通じた非課税保有限度額をすでに使い切っている場合は、年間投資枠が新しく設定されても、そのままでは追加購入できません。追加購入には、保有商品を売却して非課税保有限度額を空ける必要があります。

年間投資枠は売却しても当年中には復活しない

NISA口座で購入した商品を売却しても、使用済みの年間投資枠はその年のうちには復活しません

例えば、2026年に成長投資枠で100万円の商品を購入し、同じ2026年中に売却したとします。この場合でも、2026年の成長投資枠は100万円を使用したままです。売却後すぐに、その100万円分を成長投資枠で再利用することはできません。

翌年に復活するのは非課税保有限度額

売却した翌年以降に再利用できるようになるのは、年間投資枠ではなく、生涯の非課税保有限度額です。

現在のNISAでは、非課税保有限度額が次のように設定されています。

  • つみたて投資枠と成長投資枠の合計:1,800万円
  • 上記のうち成長投資枠で保有できる上限:1,200万円

商品を売却すると、売却した商品の取得金額に相当する非課税保有限度額が翌年以降に復活します。

枠の復活額は売却価格ではなく取得金額で決まる

復活する金額は、売却時の時価や利益ではなく、購入時の取得金額を基準に計算されます。

例えば、NISA口座で100万円の商品を購入し、値上がり後に130万円で売却した場合、翌年に復活する非課税保有限度額は130万円ではなく100万円です。

反対に、100万円で購入した商品を70万円で売却した場合も、翌年に復活する金額は70万円ではなく100万円です。

取得金額 売却金額 翌年に復活する非課税保有限度額
100万円 130万円 100万円
100万円 100万円 100万円
100万円 70万円 100万円

なお、非課税保有限度額が復活しても、1年間に利用できる金額は年間投資枠の範囲内です。売却によって大きな枠が復活しても、年間360万円を超えて新規投資することはできません。

年間投資枠の残額を計算する方法

年間投資枠の残額は、基本的に次の式で計算できます。

年間投資枠の残額=各投資枠の年間上限-当年の利用済み額-利用予定額

例えば、つみたて投資枠で80万円、成長投資枠で200万円を利用している場合は、次のようになります。

  • つみたて投資枠:120万円-80万円=残り40万円
  • 成長投資枠:240万円-200万円=残り40万円
  • 年間投資枠全体:残り80万円

ただし、つみたて投資枠の残り40万円を成長投資枠へ移すことはできません。両方に40万円ずつ残っているという扱いになります。

積立注文の利用予定額も確認する

証券会社の画面では、すでに購入した金額だけでなく、発注済みや積立予定の注文によって一部の枠が拘束されている場合があります。

単純に「年間上限-保有商品の取得金額」で計算すると、実際に注文できる金額と一致しないことがあります。正確な残額は、利用している証券会社のNISA口座画面で確認しましょう。

年間投資枠を超えたらどうなる?

NISA口座では、年間投資枠を超える金額を非課税扱いで購入することはできません。超過注文がどのように処理されるかは、金融機関や注文方法、設定状況によって異なります。

主な処理には、次のようなものがあります。

  • 年間投資枠に収まる金額まで自動的に減額される
  • 注文全体が失効し、購入されない
  • 設定に応じて、超過分が特定口座や一般口座で購入される

「NISA枠を超えた分は必ず自動で課税口座に移る」とは限りません。注文前に、枠超過時の設定を確認しておく必要があります。

課税口座で購入された分はNISAの非課税対象にならない

年間投資枠を超えた部分が特定口座や一般口座で購入された場合、その商品から生じる利益や配当金などは、NISAによる非課税の対象にはなりません。

後から課税口座の商品をNISA口座へ直接移すこともできません。NISAで保有したい場合は、課税口座の商品をいったん売却し、NISA口座で改めて買い付ける必要があります。その際は新たに年間投資枠を使用します。

枠を使い切ることだけを優先すると、生活資金が不足したり、望まない商品を慌てて購入したりするおそれがあります。無理なく利用するための考え方を次のページで解説します。