「寄り付き」「寄る」「引け」を取引時間の流れで理解する
東京証券取引所の内国株式の立会時間は、2026年7月確認時点で、前場が9時から11時30分、後場が12時30分から15時30分です。15時25分から15時30分までは、終値を決めるクロージング・オークションが行われます。
1日の流れを簡単に図解
注文受付 → 9:00 前場の寄り付き → ザラバ → 11:30 前引け
昼休み → 12:30 後場寄り → ザラバ → 15:25 クロージング・オークション → 15:30 大引け
寄り付きとは
寄り付きは、取引時間が始まって最初に売買が成立することです。そのときの価格が始値です。前場の最初は「前場寄り」、後場の最初は「後場寄り」と呼ばれることがあります。
「寄る」「寄り付く」とは
寄るまたは寄り付くは、売り注文と買い注文が折り合い、最初の売買が成立した状態を表します。注文が一方に大きく偏っていると、9時を過ぎても売買が成立せず、「まだ寄っていない」と表現されることがあります。寄り付き前は寄り前、前日終値などに比べて高い価格で始まることは高寄り、低い価格で始まることは安寄りです。
ザラバ・前引け・大引け
- ザラバ:寄り付きや引けの板寄せ以外で、注文が継続的に売買される時間帯です。
- 前引け:前場の終了です。
- 大引け:その日の取引終了です。
- 終値:その日の最後に成立した価格です。必ずしも15時30分直前に見えていた現在値と同じとは限りません。
チャートを読むための基本用語
始値・高値・安値・終値の「四本値」
一定期間の値動きを表す基本データが、始値・高値・安値・終値です。英語ではそれぞれOpen、High、Low、Closeで、まとめてOHLCと表記されます。
- 始値:その期間で最初に成立した価格
- 高値:その期間で最も高く成立した価格
- 安値:その期間で最も安く成立した価格
- 終値:その期間で最後に成立した価格
ローソク足・陽線・陰線・ヒゲ
ローソク足は四本値を1本の図形で表したものです。一般に、終値が始値より高ければ陽線、終値が始値より低ければ陰線です。高値まで伸びる線を上ヒゲ、安値まで伸びる線を下ヒゲと呼びます。色の設定はアプリによって異なるため、「赤なら必ず上昇」と決めつけず、凡例を確認してください。
「ボラ」とはボラティリティの略
ボラは英語のVolatilityを短くした言い方で、価格変動の大きさを表します。「ボラが高い」は値動きが大きい状態、「ボラが低い」は値動きが比較的小さい状態です。上昇だけでなく下落も含むため、ボラが高いことは利益の可能性だけでなく損失の振れ幅も大きくなり得ることを意味します。
ストップ高・ストップ安
取引所では、基準となる価格に応じて1日に動ける価格幅が定められています。上限価格まで上昇することがストップ高、下限価格まで下落することがストップ安です。ストップ高なら必ず買える、ストップ安なら必ず売れるわけではなく、反対注文が不足すれば注文が成立しない場合があります。
株式用語の英語・略語一覧
| 略語 | 英語 | 意味 |
|---|---|---|
| EPS | Earnings Per Share | 1株当たり当期純利益 |
| PER | Price Earnings Ratio | 株価収益率 |
| PBR | Price Book-value Ratio | 株価純資産倍率 |
| ROE | Return on Equity | 自己資本当期純利益率 |
| IR | Investor Relations | 企業が投資家向けに行う情報提供活動 |
| IPO | Initial Public Offering | 新規株式公開 |
| ETF | Exchange Traded Fund | 取引所で株式のように売買される投資信託 |
| OHLC | Open, High, Low, Close | 始値・高値・安値・終値 |
PER・PBR・ROE・EPSを一つの流れで理解する
EPS:1株が生み出した利益
EPSは、当期純利益を期中平均発行済株式数で割った数値です。1株当たりの利益水準を見るために使います。株式分割や自己株式の取得などで株式数が変わると数値にも影響するため、単年度の増減だけで判断せず、業績資料と合わせて確認します。
PER:利益に対して株価が何倍か
PER=株価÷EPSです。日本語では株価収益率と呼ばれ、JPXでは「ピーイーアール」または「パー」と案内されています。たとえば株価2,000円、EPS200円ならPERは10倍です。
PERが低いから必ず割安、高いから必ず割高とは限りません。成長期待が高い企業はPERが高くなりやすく、業績悪化への懸念がある企業は低くなることがあります。赤字でEPSがマイナスの場合は、PERが算出されない、または投資判断に使いにくい場合があります。同業他社、過去の推移、利益の持続性を合わせて確認するのが基本です。
PBR:純資産に対して株価が何倍か
PBR=株価÷1株当たり純資産です。企業の純資産と株価の関係を見る指標ですが、PBRが1倍未満だから必ず安全、必ず買い時という意味ではありません。資産の実質価値、将来の収益力、業種特性などを反映して市場評価が低くなっている場合もあります。
ROE:自己資本を使ってどれだけ利益を生んだか
ROEは、当期純利益を前期と当期の自己資本の平均値で割る指標です。資本を使って利益を生み出す効率を見る際に用いられます。ただし、負債の増加や自己資本の減少によって数値が高く見える場合もあるため、ROEだけで企業の良し悪しを決めることはできません。
配当利回り・配当性向
- 配当利回り:一般に「1株当たり年間配当金÷株価×100」で表します。購入価格に対して、年間配当がどの程度かを見る目安です。
- 配当性向:当期純利益のうち、どの程度を配当に回したかを示す割合です。
配当予想は会社の業績や方針によって変更される可能性があります。高い配当利回りが表示されていても、株価下落で見かけ上高くなっている場合や、減配リスクが織り込まれている場合があるため、決算短信や配当方針も確認します。
指標を知った後に最も重要なのは、「数字を一つだけ見て結論を出さない」ことです。次ページでは、用語アプリや本の選び方と、初心者が陥りやすい誤解を整理します。




